NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「サブジェクト8」(30点/サスペンス)

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■■■「サブジェクト8」■■■
(30点/サスペンス)

 バイトに追われる苦学生のレイシーは、大学で募集されていた『3日間で1000ドルの報酬が貰える』という製薬会社の治験のアルバイトに参加する事となる。

 彼女は自分を含む8人の若者たちと共に人里離れた施設へと案内され、そこで軍で利用する薬物の実験を受ける事となるが、隔離された小部屋でガスのような物を吸わされて意識を失ってから目を覚ますと、施設内に医師や看護師の姿が見当たらなくなっており、建物が外からロックされて閉じ込められて居る事に気付く。

 不審なものを感じて施設の中の調査を始めると、参加者の1人が血まみれで倒れ、1人がゾンビのような怪物へと変化しているのを発見。

 彼女らは自分たちが恐るべき陰謀に巻き込まれている事に気付き、なんとかして施設から脱出しようとするが…



 国家の企てた恐るべき生物実験に巻き込まれた8人の若者たちの運命を描く、サスペンスホラー映画。

 いわゆる『製薬会社の治験に参加したら、実はそれは恐るべき生物実験の被験体でした』という、割とありがちな設定のサスペンス映画ですね。

 なんというか、お話の方もありがちというか普通にイマイチで微妙な感じの作品です。

 彼らの投与された薬物というのが『人間を凶暴化させる薬』みたいなものなのですが、まあ言ってしまえば『活きの良いゾンビ化』させる薬という、特に捻りも無い感じの設定。

 被験者の髪の毛が抜け落ちたり爪が剥がれたりする演出はちょっと気持ち悪いですが、薬自体に特にコレといった特徴は無くて、なんともインパクトが弱いです。

 『国家レベルの陰謀ですよ』という事を説明するために、再三『陰謀を企てた側』の映像が挿入されるんですが、コレがまた物凄く説明的で話が安っぽく見える。

 本編の中で10回ぐらい黒幕が登場して設定を解説するような感じの説明のシーンが入るんですけど、今どきのアニメでもここまで説明的な展開は無いだろうって感じで、ちょっとウザいです。

 というか黒幕はもうちょっとボカして描いていた方が、この手のお話だと説得力や怖さが増すと思うんですけどねぇ…

 序盤に、被験者に当たる登場人物のキャラクターを描く事でお話に深みを持たせようとしているのは良い感じだと思うのですが、パニックが発生した後の展開にそのキャラクター性が殆ど活かされておらず、被験者同士のパニックや対立の描写が唐突すぎて内容がどうにも薄っぺらい。

 シチュエーション的にも危機感があまり感じられない展開が多いので、全体的に緊張感があまり感じられ無いのは辛いところ。
 『部屋の外にゾンビ化した人間が一人居て、中に数人の人間が閉じ込められている』みたいな展開を描かれても、『ソレって全員で反撃したら普通に倒せるんじゃない?』という気がしたのは自分だけですか?
 (ゾンビ化した人間は運動能力が向上するという設定なんですが、それでも限度があるでしょうし…)

 オチも割と最初から『後味の悪いオチ』になるのが読めてしまうので、お話がどうにも盛り上がらないですし…
 なんというか、全体的に『もうちょっと捻った部分』があっても良かったんじゃないかなぁ?

 別にお約束の展開を否定する訳では無いですが、『お約束』なうえに『あまり出来が良くない』ので、盛り上がりに欠けるばかりで面白味が感じられないのは困りものでしたよ…


 総評としましては、『突出して悪い部分がある訳では無いのですがコレといって誉める部分も見当たらない』という、何とも微妙としか言いようが無いような作品です。

 手が付けれないほどの駄作という訳では無いのですが印象に残る部分も全く無いので、半年ぐらいしたら内容をキレイさっぱり忘れてそうな感じの映画かも?

 オススメするような要素もあまり見当たらないので、そういうジャンルが好きならばTV等で放映された際にでも『片手間にチェックしてみる』って程度で良いレベルの一本かもしれません。