■■■「ニンジャ VS ヴァンパイア(NINJA VS VAMPIRE)」■■■
(55点/アクション)
ある日の夜にデート中にヴァンパイアに襲撃されたアレックスとアーロンの2人は、突然現れた魔女と忍者たちによって危ないところで命を救われる。
しかし、翌日にアレックスが襲撃の記憶を無くしている事に疑問を抱いたアーロンは忍者の正体を探るための調査を開始。
この町に伝わる奇妙なウワサの一つから、コミックショップのコールという店員とその仲間が忍者であり、彼らがニンジャパワーに目覚めて以来、人々の為にモンスターと戦っているという事実を突き止める。
コールたちは、魔女による記憶消去の効かないアーロンに自分たちの仲間になる事を提案するが、果たして彼は幼馴染のアレックスを守るために彼らと共に戦う事を決意するのだった…
魔術書の力でニンジャパワーに目覚めた若者たちが吸血鬼軍団と戦うという、アクションホラー映画。
以前にウチでも感想を書いた「ニンジャ VS ゾンビ」の続編に当たる作品で、ストーリー的にも完全に前作から繋がったお話ですね。
>映画感想:「ニンジャ VS ゾンビ(NINJA VS ZOMBIE)」(40点/アクション)
>http://blogs.yahoo.co.jp/uei_nanigashi/66022959.html
前作は超低予算で学生が自主制作で撮ったかのようなZ級作品でしたが、前作がそこそこヒットしたのか本作では特撮や映像の質やらが前作より明らかにパワーアップしており、B級…と言うには苦しいながらも『C級アクション映画』ぐらいなら十分に通用するようになった印象。
と言っても、吸血鬼なんてゾンビ以上に特撮の手間がかからないジャンルで、『それっぽい服装』と『牙』さえ付けておけば吸血鬼っぽく見えるので、あいかわらず『特撮…なにソレ美味しいの?』って感じのレベルではあるのですが、CGの合成なんかはあからさまにレベルがあがっていますし服装やらの小道具にも明らかにお金がかかっている感じなので、目覚しい進化と言えるかも?
お話の中身の方は、相変わらず『コレって監督が趣味だけで作ってますよね!』というような内容で、中二病全開な感じのストーリーや演出がなかなか楽しませてくれます。
まあ趣味で作っていると言っても、ストーリーも演出もそれなりにツボを押さえた作りなので、ツッコミどころ満載ながらもそこそこ楽しめる作品になっているのは良い部分でしょう。
キャラクターも前作同様に割とキチンと立ってますが、前作を見ていないと人間関係とかが少し分り難いのは難点かな?
主人公達のキャラ設定も含めて、全体的に前作ありきな感じの作品です。
予算以外に前作から割と大きく変わった部分は、前作はコメディ要素が強めだったのに対して本作はコメディ要素が少なめでシリアス要素がグッと強くなったところ。
まあ前作の超低予算ではあんまりシリアスにやってもアレな感じでしたので、ようやく『シリアスが通用するレベルに到達した』とも言えるのかもしれませんが、ちょっと前作とのノリの落差が激しすぎる気がするので、もうちょっとコメディ要素が多くても良かった気はしますよ。
あと相変わらずアクション部分だけは無駄に気合が入って作られており、単純にアクション映画として観るなら十分にB級レベルの作品としても楽しめる印象。
敵のヴァンパイア軍団も、処刑人みたいなボンテージのスーツを着た奴から、WWEのプロレスラーみたいな格好をした奴まで個性が豊富で、この辺のマンガ的なノリの良さは『良く分ってるなぁ』という感じです。
また前作よりも作品のテンポとかが良くなったりと、普通に改善されている部分も割と観られて『全体的な進歩』は感じられはするのですが、前作に比べるとハッチャけた部分が少なくなってちょっと『普通のB級作品』に近くなってしまった感もあるので、もうちょっといずれかの方向に振り切れてても良かったかも?
まあそうは言いつつも本作も予想以上に楽しめましたので、次があるのかどうかは不明ですが、もし次回作が出るようならばまた鑑賞させていただこうと思いますよ。
総評としましては、相変わらずの低予算っぷりでツッコミどころの多い内容ですが、低予算の割にはそこそこ普通に観れるレベルのアクションホラー映画ではあると思います。
とりあえず、前作を観てまあまあ楽しめた人であれば間違いなく楽しめる作品だと思いますので、そうであればチェックしておいても損は無いでしょう。
あいかわらず『監督やスタッフが楽しんで作っている』のが良く分かるような内容ですので、そういうノリの作品が好きで且つこのジャンルが好きなのであれば、観ておいても良いレベルの一本では無いでしょうか?