NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ステイク・ランド~戦いの果て~」(60点/モンスター)

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■■■「ステイク・ランド~戦いの果て~」■■■
(60点/モンスター)

 ヴァンパイアの蔓延によって文明が崩壊してから10年後。
 かつて『ミスター』と呼ばれるヴァンパイアハンターに助けられて生き延びたマーティンは、今では妻と娘と共に暮らしていた。

 そんな最中、ヴァンパイアたちは『マザー』と呼ばれる強力な指導者によって力を増し、人間たちを組織的に襲撃するようになり、彼の妻と娘もマザーによって殺害されてしまう。

 彼はヴァンパイアの指導者である『マザー』を倒して、自分の復讐を遂げるためには、伝説のヴァンパイアハンターである『ミスター』の力が必要だと考え、行方不明となっている『ミスター』を探す旅に出るが…



 ヴァンパイアによって文明が崩壊した世界で、一人の男が復讐のためにかつて一緒に旅した伝説のヴァンパイアハンターを探すという、ロードムービー風味のアクションホラー映画。

 2010年に制作されたロードムービーホラーである「ステイク・ランド 戦いの旅路」の続編に当たる作品で、前作の主人公たちが再び登場するストーリー的にもキチンと繋がった正当な続編といった内容です。

 前作は独特の退廃的な世界観やロードムービー的なテイストがウケて、ファンの間では割と高い評価を受けた作品でしたが、随分と間を空けての続編という感じですね。(なんでこのタイミングで新作が作られたのかは謎ですけど…)

 お話としてはヴァンパイアハンターの『ミスター』と別れて、妻と子供と共に暮らしていたマーティン(前作の主人公)が、ヴァンパイアのリーダーによって妻と娘を殺害された事から、復讐のために『ミスター』を探す旅に出る』という感じの内容。

 前作と同様に非常にロードムービー的なテイストが強くて、家族だったり親子だったりといった分かりやすいテーマ性が描かれているのは良い感じですね。

 また前作は少年の成長ドラマとしては良かったのですが、全体的に地味な内容すぎたのが個人的にイマイチに感じたのですが、本作では予算が多く確保できたのか全体的にだいぶ派手になってその辺の改善されている印象。

 主人公の敵にヴァンパイアだけじゃなくて、ヴァンパイアを盲信する狂信者の集団が出てきたり、マッドマックスみたいなヒャッハーな無法者の集団が登場したり、それに対抗して閉鎖されたコミュニティで身を守って生活している人々が描かれたりとか、ずいぶんと世界観が補強された感じです。

 内容に関しても、主人公が闘技場で戦わされたりヴァンパイアの集団が組織的にコミュニティを襲撃してきたりと、派手で見どころが多くなった感じで非常にエンタテイメント作品らしい内容になりました。

 それでいて、前作同様に退廃的な雰囲気やら独特の世界観も表現されており、純粋に『前作のパワーアップ版』という印象の強い内容ですね。

 ただパワーアップしたのは良いのですが、全体的にちょっと詰め込み過ぎで取っ散らかった印象も受けるのは残念なところ。

 特に序盤で出てきた追剥の老夫婦とか無法者集団みたいな連中は、別に後で強くストーリーに絡んでくる訳でも無いですし、無理に尺を割いて描くほどの内容だったのかちょっと疑問。

 その割には、敵の組織のブラザーフッド』やらの描写は説明不足ですし、ボスの『マザー』との対決もアッサリしすぎな印象なので、もうちょっと描く内容を絞っても良かった気がします。

 また、前作の退廃的でスローテンポな独特のテイストが好きだったという人には、今回は逆に派手でエンタテイメント寄りになりすぎて不満に感じる人が居るかもしれませんので、その辺は難しいところでしょうか…


 総評としましては、普通に楽しめるレベルの『良く出来たロードムービー風アクションホラー映画』という感じの作品ですね。

 前作と同じようなテイストを感じられる内容ですし、個人的には地味すぎてイマイチな印象だった前作よりも、そこそこ派手で楽しみやすい作品になった本作の方が好みかも?

 ちなみに、前作を知らなくてもあまり困るような内容ではないので、気になっているならば前作が未見の方でも普通にオススメできる映画だと思いますよ。