NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「モンスターズ/新種襲来」(45点/モンスター)

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■■■「モンスターズ/新種襲来」■■■
(45点/モンスター)

 謎の地球外生命体が南米に飛来してから16年後。
 モンスターズは世界各地にまでその生息域を拡大。

 その結果、中東でのアメリカ軍のモンスターズへの空爆をきっかけとして、地元の武装勢力との戦闘が激化し戦争状態へと突入してしまう。

 そんなある日、中東に配属された新兵のショーンらはベテラン兵士のフレイターと共に『危険地帯』の奥地に孤立した仲間の兵士を救出する任務に就く事となるが、部隊は武装勢力の攻撃により疲弊し敵勢力によって捕らえられてしまい…



 宇宙から飛来した謎の生命体『モンスターズ』の侵略を受けた世界で、アメリカ軍と武装勢力とモンスターズが三つ巴の戦いを繰り広げるという、モンスターパニック映画。

 「モンスターズ/地球外生命体」の続編にあたる作品ですね。
 前作は低予算ながらも面白い着眼点とケレン味の効いた内容でなかなか評価された作品でしたが、2作目に当たる本作の方は、なんというか『うーん?』って感じの作品でしたよ。

 前作は、地球外生命体であるモンスターズの侵入とそれに伴う世界情勢の変化とかを人々との関わりを題材としたロードムービーという感じで、怪物の出番は少ないながらもその存在感を感じさせる内容だったのですが…
 本作は何が微妙ってモンスターズの影が薄すぎる事ですね、

 中東での米軍の作戦行動がメインのストーリーとして描かれているのですが、予算が増えたお陰かモンスターズの出番が増えた割には、戦闘シーンとかは殆どがアメリカ軍と武装勢力の小競り合いばかりで、モンスターズは単に『背景をウロウロしている野生生物』みたいな扱いで、どうにも存在感がありません。

 前作でも、別にモンスターズが積極的に人間を襲うような描写はあまりないものの、それでも街を破壊しながら徘徊するモンスターズには脅威が感じられたものですが、本作ではほとんどが何もない中東の砂漠が舞台のため『好きなだけ徘徊させとけよ』って感じで全く脅威が感じられない。

 パッケージから、てっきり今回は本格的なモンスターズ掃討作戦みたいなものが描かれるのかと思っていたので、あまりの存在感の無さにガッカリでしたよ。
 (『戦争勃発』って、戦争してるのは人間同士だけですやん…)

 お話としては、今回はロードムービー感のある戦争もの』って感じで、中身的には殆どが戦争映画という印象。

 モンスターズの絡みとしては『争いを続ける人間たちの思惑とは別に自然は営み続ける』みたいな扱いなんだけど、ぶっちゃけ『そのテーマは前作でもやったでしょ?』って感じで、正直言ってインパクトが薄いです。

 戦争映画として面白いかと言われると、そっちの方も地味な内容で正直に言って微妙。

 ロードムービー的なノリとしてはいま一つ主人公たちのキャラ弱いですし、戦争映画としてはシリアスさでも派手さでも盛り上がりに欠けますし、トラウマを描くにしても、新兵の主人公はともかくベテラン兵士のトラウマが矢鱈と唐突でなんか釈然としません。

 なんか『背景にモンスターがウロついてるだけの地味な戦争映画』って感じで、どうにも物足りませんでしたよ。

 ただまあ不満点は少なくないものの、モンスターズのデザインとかCGなんかはなかなか良くできていますし、相変わらず夜に深海生物のように光を放つモンスターズもキレイですし、ビジュアル的にはそこそこ観るべきところはある感じかなぁ?

 パッケージやストーリーの解説に騙されて、モンスターズとの派手な戦闘とかに期待してると激しく肩透かしを食らわされるので、その辺だけは要注意といった感じですね。


 総評としましては、どうにも『期待してた割には肩透かし感の否め(いなめ)ない微妙なモンスター映画』ってのが正直なところです。

 前作が好きな人ならば、モンスターのCGを見るだけでもそれなりに楽しめるとは思いますが、テーマとか作風とかが前作とあんまり変わらないので新鮮味が感じられないのは難点かな?

 まあ前作が好きで気になるのであれば、とりあえずはチェックしておいても良い作品だとは思いますが、前作を観てない人はとりあえずそちらから観た方が無難だと思いますよ。