NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ロード・オブ・モンスターズ 地上最大の決戦」(50点/モンスター)

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■■■「ロード・オブ・モンスターズ 地上最大の決戦」■■■
(50点/モンスター)


 宇宙からの正体不明の飛行物体がアメリカ南部の砂漠に墜落。
 飛行物体は、30年以上前の冷戦時代に米ソ共同で深宇宙探査のために打ち上げられた宇宙船で、驚くべきことに実験のために乗せられていたチンパンジーのエイブラムスがまだ生きている事が判明する。


 科学者であるリンダはロシアの科学者のエヴァと協力して、エイブラムスを現場から回収し研究施設に隔離するが、エイブラムスは見るまに巨大化して研究施設を脱走。


 同じ頃に現場付近で、宇宙船に残されていた地球外物質と接触して巨大化したと思われる巨大なトカゲが出現。


 二匹の怪獣が、外宇宙からの信号によってコントロールされ、地球を攻撃するための兵器として利用されている事に気づいた彼らは、なんとかして怪獣たちを迎え撃とうとするが…

 


 宇宙人によって巨大化させられコントロールされたサルとトカゲが首都を襲おうとするのを、科学者たちがなんとかして食い止めようとする…という、いわゆる怪獣映画風のモンスターパニック映画。


 パクリ映画でお馴染みのASYLUMによる作品で、パッケージやタイトルからしゴジラvsコング」に便乗して『騙す気まんまん』な感じの作品ですが…


 実は前作の「キング・オブ・モンスターズ」が出た2019年にも「ロード・オブ・モンスターズ」(原題:MONSTER ISLAND)というタイトルの作品がASYLUMから出ており、こちらの方も確信犯的なパクリっぷりだったので、もはやB級映画好きからは『恒例行事』みたいな印象になっております。


 ただ、前作ではモナーク』に該当するような組織まで登場していた割には、前作と本作とは特に内容的な繋がりは無いようです。
 (前作の出来はそこまで悪くなかったと思うんだけど、あまり評判が良くなかったんだろうか…)


映画感想:「ロード・オブ・モンスターズ」(55点/モンスター)
https://uei-nanigashi.hatenablog.com/entry/2019/09/29/040356


 お話としては、『30年ぶりに宇宙から帰ってきた宇宙探査船に乗っていたサルが巨大化。更には地球外物質に触れたトカゲも巨大化して、二大怪獣が出現してしまう…』みたいな感じの展開。


 途中で『出現した怪獣が実は宇宙人の電波で操られている』事が判明。

 更に『チンパンジーの方は実は狂暴じゃない』という事から『宇宙人のコントロールを解いて二匹を戦わせようとする』という、ストーリー的にはゴジラシリーズとかでも観たような王道的な展開のお話という印象。


 ASYLUM作品らしく、物凄く展開が早くてテンポが非常に良いのは相変わらず良い感じですね。
 無駄なシーンとか殆ど無くてサクサクとお話が進んでいくので、細かい事を気にせず退屈せずに楽しむことが出来ます。


 逆にキャラの掘り下げとかは全く行われておらず、お話の深みやドラマ的な要素とかはほぼ皆無なので、登場人物に魅力が全く感じられないのは困りもの。


 ネタバレになってしまいますが、お話の流れ的に終盤で重要なキャラが『感動的に死ぬ』ようなシーンがあるのですが、あまりにキャラへの思い入れが無さすぎて『アッ、死んだんですねハイ?』みたいな感想しか出て来ませんでしたよ。(笑)


 ちなみに、低予算の割には怪獣のCGは割とキチンと作られており、意外とシッカリと巨大感が感じられるモンスター映画になっているのは悪くない印象。


 ただ前作もそうでしたが、やはり『低予算で怪獣映画を作るのは厳しいんだな』という雰囲気がヒシヒシと伝わるような内容で、全てのカットで怪獣の登場シーンが物凄く短くて『見せ場が一瞬しかない』のは物足り無さすぎます。


 ラストで『ワシントンに2匹の怪獣が攻めてくる』ってシーンがあるのですが、ビックリするほど画面に怪獣が登場しなくて(燃える市街地ぐらいしか出てこない)、スペクタクルな筈のシーンがむしろ『怪獣の出番が無さすぎてストレスになっている』というのは最早笑えません…(笑)


 あと怪獣のデザインに関してですが、『巨大トカゲ』の方はなんとなく『USゴジラ(エメリッヒゴジラ)』を髣髴(ほうふつ)とさせるようなデザインで割と悪くないのですが、『巨大ザル』の方がゴリラじゃなくて巨大なチンパンジーのせいで、あまり強そうに見えずに全くカッコ良くないのはいかがなものかと?
 (というか、素直にゴリラにしておいた方が良かったんじゃ?)

 

 総評としましては、努力してるのだけは感じられる『低予算の残念な怪獣映画』って感じの作品ですね。


 テンポ良く観れるので、サクッと息抜きに観る程度で楽しむ分には悪くないとは思いますが、敢えて推すような要素はあまり感じられないかなぁ?


 気になるならばチェックしてみても良いとは思いますが、いつもの『微妙な出来のASYLLUM作品』ですので、そういうのを理解したうえで気が向いたら観てみるって程度で良い一本だと思いますよ。