■■■「ザ・メガロドン 大怪獣覚醒」■■■
(50点/モンスター)
カリフォルニアに超巨大古代ザメであるメガロドンが出現。
米戦艦キング号は艦長の命を含めた多大な犠牲と損害を出しつつも、なんとか撃退に成功する。
後任としてキング号を指揮する事となったキース少佐は、破損した戦艦で補給のために陸地まで向かおうとするが、新たなメガロドンと思われる個体に遭遇。
満身創痍の戦艦でメガロドンと戦う事となる。
一方、海底火山のエネルギーを使った発電所の実験を行う地熱の研究者であるクリスティは、崩落した海底の亀裂の付近で複数のメガロドンを目撃。
メガロドンたちが出産のために海底火山の近くに集まっているのではないかと推測するが…
カリフォルニアの沖に出現したメガロドンをなんとか撃退した海軍の前に、今度は出産を控えたメガロドンの群れが出現する…というモンスターパニック映画。
人気作のパクり映画でお馴染みのASYLUMによる巨大ザメ映画である「ザ・メガロドン」シリーズの第3弾。
タイミング的に「MEG2」辺りに便乗して作られた作品だとは思いますが、いつの間にやらこのシリーズも三作目です。
前作が割と人気があったのか、ASYLUM作品のなかでは割とお金をかけて作られていそうな雰囲気が感じられる内容で、(低予算のASYLUM映画にしては)意外とシッカリと作られた作品という印象。
特撮やCGは割と気合が入っており序盤から襲撃シーンも割と多めで、CGの使いまわしも少なくてバリエーションも意外と豊富で良い感じ。
シーンによってCGで描かれるサメのサイズがまちまちだったりするのは低予算映画にありがちなパターンではあるのですが、今回は『違う大きさの複数のメガロドンが存在する』という設定のおかげで違和感をあまり感じないようになっているのは、なかなか上手い作りだなと…(笑)
やたらと船の上やら海岸に乗り上げてきて、無理やり人間を食べてから海に戻っていくメガロドンちゃんは、何かちょっと可愛くて謎の癒し感があります。(笑)(50m以上も図体があるので人間なんておやつぐらいにしかならんだろうに…)
ただ、序盤は割と派手に暴れまわってくれるメガロドンなのですが、中盤あたりから(予算的に)息切れしたのか、出番が少なくなって『主人公たちの顔のアップと会話シーン』ばかりという低予算映画にありがちなシーンばかりになってしまうのは困りもの。
『メガロドンと主人公たちの対決』へと展開していく終盤のストーリーの盛り上がりに反して、映画そのものは見せ場が少なくてどんどん盛り下がっていってしまうという構成はどうにかならなかったものかなぁ…
ストーリーも色々とツッコミどころが満載で、民間人を守ろうと戦う海軍はともかく、行きがかり上でメガロドンと関わる事となったからといって『地熱発電所の研究所員が命がけでメガロドンと対決する』という展開は色々と無理がありすぎ。
主人公が海軍と発電所職員のダブル主人公みたいな構成のせいで展開も妙にゴチャゴチャし過ぎですし、ラストも妙にアッサリしてるせいで『えっ、いまのでメガロドンを全部倒したの?』みたいな終わり方で盛り上がりに欠けますし、『もうちょっと全体的なバランスを考えて作品を作った方が良かったんじゃないか?』という疑問を持たざるを得ないような映画でしたよ…
総評としましては、『それなりに観れるレベルの低予算巨大生物パニック映画』って感じですね。
ただ、アクマで『ASYLUMの作品としてはそれなりに観れる』ってだけで、普通にB級パニック映画としては微妙な出来の作品なので、まあ過剰な期待はしない方が良いかと…
いままでの「ザ・メガロドン」シリーズを観ている人であれば、本作もとりあえず付き合い程度に見ておいても良いとは思いますが、普通に巨大ザメ映画として期待して観るには厳しい内容ですので、その辺を理解したうえて鑑賞するのが良い感じの一本かと思いますよ、