NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゲームオーバー」(65点/サスペンス:結構オススメ)

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■■■「ゲームオーバー」■■■
(65点/サスペンス:結構オススメ)


 高校時代の友人たちで、森の奥にキャンプに訪れた9人の若者たち。

 昔話に花を咲かせて盛り上がる彼らだったが、深夜に何者かによって催眠ガスで眠らされ、目を覚ますとタイマーの付いた爆弾付きのベストを装着されている事に気づく。


 彼らの前に現れたのは高校時代の化学教師だったピーターソンで、教師は生き残れるのはタイマーの時間の一番長い一人だけだと説明すると、『最後の授業だ』と告げて目の前でいきなり拳銃自殺してしまう。


 突然の事に混乱する彼らだったが、『殺した相手のタイマーを奪える』と気づいた事から、疑心暗鬼から徐々に狂気へと駆られて殺し合いへと発展していくのだった…

 


 高校時代の同級生だった9人の若者たちが、キャンプ場で『タイマー付き爆弾ベスト』を無理矢理装着させられ強制的にデスゲームへと参加させられる…という、バイオレンス要素強めのサスペンススリラー映画。


 『爆弾ベストを付けられた若者たちが殺し合いを強制される』という、割とオーソドックスな設定のデスゲームものサスペンススリラー映画ですが、設定のシンプルさの割にはなかなか良く出来た作品です。


 お話としては『同窓生の9人若者たちが森の奥でキャンプをするんだけど、高校時代の化学教師に催眠ガスで眠らされ、気が付くとタイマー付きの爆弾ベストを装着させられて「タイマーの残り時間」を奪い合うために殺し合いを強制させられる』みたいな感じのストーリー。


 『顔見知り同士のデスゲームもの』としてはお約束的な展開で、最初は仲良く振舞ってるんだけど『生命の危機』が迫るにつれて実はうとましく感じていた相手と反目しあったり、恋人と友人との浮気がバレて修羅場に発展したり…といった展開が続いていくのですが、9人もメインキャラが居る割にはシッカリと全員のキャラクターが掘り下げて描かれていて、それぞれの個性やら人間関係がキチンと分かるようになっているのは、なかなか良く出来ています。


 またお話の中で、彼らにデスゲームを強要した化学教師の動機『在学中に事故死した教師の息子の死』に関連している事が発覚していくのですが、この『教師の息子の死』の秘密がミステリー仕立ての設定となっており、デスゲームの進行と同時に謎解き要素として展開していくため、そのサスペンス要素のお陰でデスゲームもの特有のグデグデ感があまりなくてダレずに楽しめるようになっているという構成も上手いです。


 デスゲームそのもののギミックもなかなか凝っていて、全員のタイマーが微妙に違う残り時間で設定されており、最下位の人間はランプが赤く表示されて『早く他のメンバーを殺せ』と促されたり、トップの人間は青ランプが表示されて『誰かが殺されてトップが入れ替わると当事者には分かる』という『いかにもゲームっぽい仕掛け』がお話を盛り上げる要素となっているのも面白いですね。


 ただ、気になる点を挙げるとしたら、全体的に過剰なまでに『バイオレンス描写が強め』で、けっこうエグいシーンが多いのでそういうのが好きな人は良いと思うのですが、苦手な人が観るにはなかなかキツい部分がありそう…


 あと、9人の登場人物の全員が割と脛に傷を持つようなキャラになっており、どのキャラもいま一つ素直に応援できないような状況のため、ちょっと感情移入しづらくて盛り上がりに欠ける部分があることかな?


 お話を盛り上げるためにも、もうちょっと視聴者が素直に感情移入しやすいキャラが居ても良かった気がしますよ…

 


 総評としましては、オーソドックスで低予算ながらも『なかなか良く出来たデスゲームものサスペンススリラー映画』って感じの作品ですね。


 バトルロワイアル系のデスゲームものとしては、普通に良く出来ている内容だと思いますので、その手の映画が好きな人であればチェックしておいても損は無い感じかな?


 バイオレンス要素が結構強めなので、痛そうな描写とかが苦手だと辛い部分があると思いますが、逆にそういうのが好きな人なら普通にオススメの一本ですよ。