■■■「キリング・グラウンド」■■■
(55点/サスペンス)
結婚を控えたカップルであるサムとイアンは、人里離れた田舎の山中に2人で年越しキャンプに訪れる事となる。
キャンプで一夜を過ごした彼らだったが、隣のキャンプに人の気配が無い事から不審に感じで中を覗くと、何者かに荒らされた形跡がある事を発見。
驚いて周囲を探してみたところ、2歳程度の赤ん坊がたった一人で傷だらけで衰弱しさ迷い歩いているところを保護する事となる。
異常な事態に混乱しつつも、ひとまず赤ん坊を病院へと連れて行こうと考えた彼らだったが、車がいつの間にかパンクしており途方に暮れていたところ、自らをハンターだと名乗る地元の若者らしき青年が彼らの前に現れ…
若いカップルが山中でキャンプしていたところ奇妙な事件に巻き込まれてしまい、サイコな連中に命を狙われる事になるという、サスペンススリラー映画。
主人公たちが理不尽にサイコな連中に山中を狩り立てられて追いかけまわされるという、いわゆる『人間狩り』的なシチュエーションのクライムサスペンス作品ですね。
お話としては、主人公たちが人里離れた山中にキャンプにやって来るんだけど『隣のキャンパーの様子がどうもおかしい』という感じにお話が進んでいくのですが…
最初は隣のキャンパーと主人公たちが同じ時間軸でストーリーが進行しているのかと思いきや、実は隣のキャンパーの登場するシーンに関しては回想シーンで『主人公たちがここに来る前に彼らの身に何があったのか?』という謎をリアルタイムで追いかけていく感じでお話が進んでいくという構成は、なかなか捻りが効いてて面白かったです。
ただ捻りの効いた構成なのでストーリーも捻った感じのサスペンスになってるのかと思いきや、キャンパーたちの巻き込まれた『事件』が直球ストレートすぎて全く謎解き要素とか捻りとかの無い内容なのは困りもの。
ネタバレになってしまいますが、単に『キ●ガイ連中のバイオレンスな胸くその悪い行為を、ちょっと捻った構成で見せてみました』というだけの展開だったので、なんか微妙に釈然としないモヤモヤした気分になってしまいましたよ…
(まあ、『凝った構成のお陰で導入部分が退屈せずに観れた』というメリットはありましたけど…)
まあでも無駄に気を持たせるみたいな構成だった事を除いて、単純にバイオレンス描写のあるクライムサスペンス映画として見れば、そこそこ観れる内容ではあります。
まず、主人公たちを狙う犯人たちが本当に胸くその悪いクズ野郎どもで、あまりにもクズすぎてある意味で清々しさすら感じるレベルなのが、ある意味で良い味を出しています。
また中盤のお話が動き出してからの展開が非常にスピーディで、序盤の『無駄に捻った展開』とは別のベクトルで、最後まで予想のつかない展開の連続で先の読めない緊張感があってなかなか楽しませてくれます。
ただ、この監督は『ちょっと捻くれたノリ』が好きなのか、オチに関してもちょっと一筋縄では行かない感じだったので、その辺は人によって賛否両論ありそうな感じかも?
(個人的には結構面白いオチだとは思いましたけど…)
総評としましては、色々と構成とかにツッコミどころはあるものの『そこそこ楽しめるレベルのサスペンススリラー映画』って感じの作品ですね。
けっこう胸くその悪い内容なので、人によって好みが分かれるかもしれませんが、『ホームインベージョンもの』とかのそういうノリが嫌いではないという人であればまあまあ観れる内容の作品でしょう。
あまり強く推す程では無いので、これのためにビデオレンタルするほどかと言われると微妙ですが、ネット配信とか何かの機会にでも観れれば普通に面白くてちょっと得した気分になれる一本かもしれませんよ。