■■■「ステイク・ランド 戦いの旅路」■■■
(35点/モンスター)
ヴァンパイアが大量発生したことにより、文明が崩壊し無秩序状態となった北アメリカ。
ヴァンパイアによって両親を殺された少年・マーティンは、『ミスター』と呼ばれる一人のヴァンパイアハンターに命を救われた事をきっかけに、彼と行動を共にするようになる。
安息の地を求める彼らは、ウワサを頼りに北にあるヴァンパイアの居ない聖域とも言える『ニューエデン』という街を目指して旅を続けていたが、そんなある日、道すがらで暴漢に襲われていた一人のシスターを救った事から、思わぬトラブルへと巻き込まれていくのだった…
ヴァンパイアが蔓延し文明が崩壊した世界で、ヴァンパイアハンターと出会った一人の少年の成長を描いた、ロードムービー風モンスターホラー映画。
なんと言うか、いわゆる『ロードムービー』然としたロードムービー風ホラーって感じの作品ですね。
『ベテランのヴァンパイアハンター』と『彼によって命を助けられた人の少年』が一緒に旅をしていくというお話で、その過程を通じて少年が心と肉体と共に大人へと成長していくという感じのお話ですが…
2人の道中を描いているものの『バディ物』的な要素はあんまり無くて、ハンターの方はどちらかというと保護者というか『父性』的な位置づけで、アクマで『少年の成長を描いた作品』ですね。
お話の内容の方もいかにもロードムービーって感じの『旅の道中で主人公たちが様々な人と出会いトラブルに巻き込まれていく』といった展開で、道中である崩壊したアメリカの街の雰囲気や、生き残るために多くを学んでいかないとならないといった事が納得できるような世界観はなかなか良い感じです。
良い感じなのですが…
とにかく展開がダルくてダルくてダレまくる内容映画なのは困り者。
少年の『心情の変化』や『心の成長』といったプロセスは非常に丁寧に描かれているのですが、いかんせん内容が地味でどうにも盛り上がりに欠ける。
ヴァンパイアも単なる『動くの素早くなったゾンビ』みたいな感じで個性に乏しいですし、戦闘シーンもぶっちゃけ派手さが無い印象。
盛り上がるようなイベントも殆ど無く登場するキャラクターもそこまで魅力的な訳でもなく、全体的に淡々とお話が進んでいく感じで、とにかくお話に華が無いのですよね。
ラストの展開は少しだけ盛り上がるのですが、そこまでのプロセスが地味でどう盛り上がりに欠けるので、ぶっちゃけると余りの地味さにナチュラルに2回ほど寝落ちしてしまいましたよ…
全体的な完成度は低くないですし所々は見るべきところもあるので、もうちょっと『華やかさ』のある作りになってれば、もっと面白い作品になったんじゃないかとも思うんですけどねぇ。
総評としましては、地味な内容ながらも世界観や美術センスや雰囲気なんかは悪くないという、いわゆる『雰囲気映画』って感じの作品ですね。
ロードムービー的なノリの作品が好きな人や、廃墟とか退廃的な世界観が好きな人であればそれなりに楽しめる作品だと思いますが、いかんせん退屈な映画なので派手さや爽快感を求める人には辛い作品でしょう。
まあ悪くない要素も多分にあるので、そういうタイプの作品が好きであれば観るのを止める事は致しませんが、途中で眠くなってしまう確率が高い作品ですので深夜に鑑賞するのは止めた方が良いかもしれません。
下手をすると私のように、3回ぐらい途中から再生し直す事になりますので…