NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「クエスチョン」(50点/サスペンス)

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■■■「クエスチョン」■■■
(50点/サスペンス)

 イギリスに住むジョー、マックス、デイヴ、グウェンらの4人は、ある日、自分たちの利用するSNSサービスの会社であるオールトゥギャザー社から『ニューヨーク旅行』と、ニューヨークへと向かう飛行機の中で『豪華商品の当たるクイズ』に参加する権利に当選したと聞かされゲームに参加する事となる。

 豪華なプライベートジェットに乗ってゲームを楽しむ彼らだったが、自分のプライベートな性癖や秘密にまつわるクイズを出題され秘密を次々と暴露され、クイズに回答出来なかったりゲームのルールに従わなかった場合は、地上にいる『自分の大切な人』を一人づつ殺害されて、その映像を見せられるという恐るべき脅迫を受ける。

 彼らは何とかして犯人の目的を探り飛行機から脱出する方法を探ろうとするが、ゲームの主催者の要求は徐々にエスカレートしていき、参加者同士に殺し合いをさせようとするようなものになっていき…



 とあるSNSの懸賞で選ばれた4人の男女が高度12,000mの上空で死のゲームを強制されるという、サスペンススリラー映画。

 いわゆる閉鎖環境型のシチュエーションスリラータイプの映画ですが、『脱出できない飛行機の上で大切な人を人質に取られて死のゲームに参加させられる』って展開は、確かに他にはあんまり無いユニークな設定で面白いかも?

 ちなみに本作はSNSにまつわる実話をベースとしたストーリー』みたいな事が語られるのですが、最早『実話をベースにしてる要素は殆ど無いよね?』ってレベルなので、この何にでも『実話をベースとしたストーリー』って前置きを付けたがるのはいかがな物なのかと…
 (別にそれが映画の評価を上げる要因になってるとも思えないですし…)

 まあそれはさておきタイトルに「クエスチョン」なんて付いてて、予告でも『死のクイズゲームみたいな感じの宣伝文句が使われていたので、てっきり『命がけの頭脳戦』みたいな展開でもあるのかと期待していたのですが、実際の内容の方はクイズ的な要素は全く無くてなんというかちょっと拍子抜けな感じ…

 むしろ、主人公たちが主催者から『無理難題と難癖を延々と付けられる』みたいな展開で、いわゆる理不尽系のシチュエーションスリラーって感じの内容ですね。

 序盤の主人公たちの秘密を暴露していく展開や犯人の動機を探っていくパートは、『参加者が手も足も出ない飛行機の上』という特殊なシチュエーションも相まってなかなか面白いのです。

 また主人公たちの一人にちょっとした『秘密』があったりといった仕込みも悪くないのですが、中盤以降がその辺の要素や設定を活かしきれてなくて、ちょっと強引で無理があるストーリーになってしまっている印象なのが困りもの。

 特に終盤の登場人物同士に殺し合いをさせる展開は、ちょっとありがちすぎて安っぽい感じになってしまっているのが勿体無いです。

 この手のシチュエーションスリラーにしては珍しく、ラストで『犯人の動機や目的』がキチンと解き明かされるのはスッキリして良いのですが、謎解き部分が矢鱈と急展開で説明的(というか主人公に説明してるというよりも『視聴者に説明してる』感じ)なのは違和感があったかなぁ?
 (まあ動機は納得が行くとしても、ここまで金と手間がかかるうえに回りくどい方法を取る必要は無いだろって感じですし…)

 あと終盤が『どう考えてもキレイな終わり方はしないよね?』ってのが予想できてしまう展開なのも、もうひと捻り欲しかったところですよ。

 また自分にはラストシーンの意味が良く分からなかったのですが、娘の安否はともかくとして家族総出演みたいなシーンは一体なにを表現したかったんだろう…


 総評としましては、特殊な設定は目新しいけどそれ以外は特筆するほどの部分も無い『普通のシチュエーションスリラー映画』って感じの作品ですね。

 別に特筆するほど悪い部分は無いのでそれなりに楽しめる内容ではあるのですが、宣伝にあった『命がけのクイズゲーム』みたいなノリを期待してると、予想と違ってちょっと肩透かしを食らうかも?

 敢えてプッシュする程の作品でも無いですが、まあ普通に観れるレベルのサスペンス映画ではありますので気になっているのであれば観るのは止める事はしませんが、個人的にはTVとかで放映されたら観る程度でも問題ないレベルの作品かな…という感じの一本でしたよ。