NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ヒプノティスト-催眠-」(55点/サスペンス)

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■■■「ヒプノティスト-催眠-」■■■
(55点/サスペンス)

 ある日、ストックホルムの郊外に住む一家が何者かによってメッタ刺しにされて惨殺されるという事件が発生する。

 事件の生き残りは、現場でなんとか一命を取り留めた少年のヨセフと、過去に問題を起こして家を出て行方不明となっている姉のエヴェリンのみ。

 この事件が『普通の事件ではない』と直感した国際警察のヨーナは、生き残った2人の命を守るために、催眠療法士のエリックに催眠治療によって昏睡状態の少年から何とかして手がかりを聞き出す事を依頼。

 しかし彼らが捜査を開始した翌日に、エリックの息子が何者かに誘拐されてしまい、その現場には『催眠をやめろ、さもないと息子は死ぬ』という脅迫のメッセージが残されており…



 動機不明の一家惨殺事件の謎を追うために、国際警察の刑事と催眠療法士が力を合わせて事件解決に挑むという、サスペンススリラー映画。

 ドラゴン・タトゥーの女」に続いて、スウェーデンで人気のあるミステリー小説の映画化という割と鳴り物入りの宣伝文句に加えて、予告編だとかなり面白そうな雰囲気だったので期待して鑑賞してみたのですが…

 なんと言うか、意外と可も不可も無い『普通のサスペンス映画』という感じの作品でした。

 設定に『催眠』というギミックを仕込んでいる割には、実際には『催眠』の要素がそこまで事件に深く関わっておらず、そこまで凝ったトリックやストーリー展開がある訳でもなく…
 むしろストーリーは意外と簡単に先が読めてしまうような内容で、ちょっと肩透かしな印象です。

 観ていると『もともとが結構長い小説を映像化しているんだろうなぁ…』という雰囲気は伝わってくるような内容で、登場人物のキャラクターの背景や人間関係の描写がかなり深めなお話なのですが、その割には全体的に尺が足りておらずにどうにも説明不足な感じ…

 催眠療法士の過去のスキャンダル』や『妻との確執』やらを色々と描き込もうとしてるのは分かるんですが、どちらも尺を長く割いたわりにはキャラクターがそこまで描ききれておらず、そもそもその辺の要素が本編の事件に深く関わってくる訳でも無いので、単に『脇道が多くて冗長なだけ』になってしまっているのは残念なところ。

 勿体つけて語られた生き残りの『少年』と『姉』に関する話とか、犯人の動機なんかも『えっ、それだけなの?』みたいな感じですし、真犯人も矢鱈と唐突で『誰だよお前』みたいな感じでどうにも説得力がありません。

 終盤の展開はそこそこテンポが良くて、ラストもまあまあスッキリとした終わり方なので観終わった後で無駄なストレスが残らないのは良いんですが、お話の中身の方も心に残るほどの部分が無くて、なんというかアッサリとした印象の映画でしたよ…


 総評としましては、映画そのものの出来は別に悪くは無いので、ちょっと冗長ながらも『普通に楽しめるレベルのサスペンス映画』という感じの作品ですね。

 ただ、予告とか設定の面白そうなイメージで鑑賞すると『ちょっと期待してたのと違うなぁ…』と感じてしまったのは正直なところでしょうか?

 まあそれなりに良く出来ていますし、TVとかの『2時間もののサスペンスドラマ』的なノリ(ちょっとドロドロしてウェットな感じ)が好きな人ならば普通に楽しめるタイプの作品では有ると思いますので、そういうノリが好きな人ならばチェックしておいても損は無い一本かもしれません。