■■■「サドンデス」■■■
(35点/アクション)
ある日、地下牢のような場所に監禁された50人の女性たちは、正体不明の大富豪や権力者たちの賭け試合の余興として『1vs1のデスマッチ』を繰り返す事を強いられる。
それは自分と大切な人の命を賭けての戦いで、戦いに敗れたものは自分自身の命に加えて家族までもが虐殺されてしまうという過酷で残虐なものだった。
過去に生き別れとなった筈の娘の命を人質に取られて戦いに参加する事となった元軍人のサブリナは、その格闘のセンスと執念で戦いを勝ち抜いて行くが…
正体不明の大富豪や権力者たちによって拉致された女性たちが家族を救う為に血みどろのデスマッチを繰り広げるという、バイオレンスアクション映画。
「サドンデス」と言っても、ヴァン・ダム主演のアクション映画ではなく謎の大富豪に拉致された女性同士が脅迫されてひたすら『血みどろの殴り合い』を繰り広げるだけの『なんちゃってハンガーゲーム』みたいな感じの映画ですね。
先述のとおりストーリーらしいストーリーは殆ど無くて、『地下闘技場みたいなところで女性同士がデスマッチを繰り広げるだけ』という感じの内容なので、そういう趣味(いわゆる『リョナ属性』)持ちの人には楽しいのかもしれませんが、そうで無ければ単に『胸糞の悪いお話』という印象。
設定自体はありがちな設定ではあるのですが、女性同士の戦いの描写がエグくてホントに『素手での血みどろの殴りあい』をひたすら繰り返すだけなんですが…
自分は残虐ホラーとかは基本的に平気なのですが、本作はなんというか殴り合いが中途半端にリアルなせいで、物凄く痛そうなのに加えて生々しいので観ていてとにかく辛い。
鼻血や口や顔面から出血して血だらけになるのは当たり前で酷いシーンだと目潰しとかもあったりするので、流石にコレを喜んで観る人はあまり居ないんじゃないかと…
ただまあ、流石に女性同士がドツきあってるだけじゃあ内容が全く無い映画になってしまいますので、登場するメンバーのキャラ付けなんかにはなかなか凝っており、元軍人で寡黙な主人公に対して、刑務所帰りで好戦的なビッチとか、正義感が強くて仲間を救おうとする女性とか、精神が壊れて野生に帰ってしまった女性とかとキャラのバリエーションが豊富なのは面白いです。
そういったメンツが『それぞれに背景とかを語りながら戦う』というバトルマンガ的な展開なので、ひたすらドツきあってるだけでも意外と退屈はしないで観れるのは良いところでしょう。
終盤の展開も、ちょっとだけ捻りが効いててそこそこカタルシスが得られるのは良い感じなのですが、ラストの取ってつけたようなオチは別に要らなかったんじゃないかなぁ?
まあ、この内容でどういうオチなら満足できたのかと聞かれると、ちょっと悩ましいところではありますけど…
総評としましては、アクション映画としては『凡庸ながらも観れなくは無いレベル』だと思うのですが、ホントに『女性同士が血みどろで殴りあうシーン』ばっかりの映画なので、そういうのに不快感を持つ人だととても我慢できない内容だと思います。
自分はバイオレンスも平気ですし特にフェミニストという訳でも無いのですが、流石に本作はちょっと引くレベルの不快さだったので、そういうのが嫌いな人は観ない方が良いでしょう。
逆にそういう属性がある人には楽しめる映画かもしれませんので、自分の趣味に照らし合わせてみての鑑賞をオススメしますよ…