NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アパートメント1303号室」(20点/オカルト)

イメージ 1

■■■「アパートメント1303号室」■■■
(20点/オカルト)

アルコール依存症で酒乱の母親と一緒に暮らすララは、母親から逃れるために古びた高層マンションの1303号室に引っ越した妹のジャネットが、入居してからわずか2日目にベランダから転落して死亡するという事件に遭遇する。

 警察は事件を自殺として処理する事となるが、妹の死に不審なものを感じた彼女は妹の過ごした部屋を調査するために、自分が代わりにその部屋へと移り住む事となる。

 暮らし始めてすぐに、部屋の異様な雰囲気や住民の奇妙な態度に不審なものを感じる彼女だったが、やがてこの部屋の過去に秘められた恐るべき秘密を知る事となるのだった…



 呪われたマンションの部屋である『1303号室』で暮らす事となった姉妹を襲う怪奇現象の恐怖を描いた、オカルトホラー映画。

 自分は鑑賞するまで良く知らなかったのですが、なんでも本作はJホラーの「1303号室」という映画のハリウッドリメイク版に当たる作品のようです。

 …が、リメイクだから大ハズレは無いかと思いきや、映画の方は微妙というか『普通にツマんない…』としか言いようが無いような作品ですな。

 本作の何が微妙って、とにかくビックリするほど『怖くない』という事。

 幽霊とか心霊現象の描写がチープというか『わざと狙って怖く無いような絵作りをしてるんじゃないの?』ってぐらいに本当に迫力が無くて、霊の登場するシーンが恐ろしいまでに怖くない(変な日本語だな…)んですよ。

 どれぐらい怖く無いかと言うと、幽霊があまりにも『普通の人間』っぽい出現の仕方をするため、最初は『オカルトのように見せかけて、実は頭のおかしい住人が勝手に住み着いてるって設定のサイコホラーなんじゃ?』と真剣に疑ってしまったぐらいのレベルで怖さがありません。

 いやマジに、もし自分がこの監督の友人だったとしたら『お前、オカルト映画を撮るのに向いてないから止めた方が良いよ』と忠告したくなってしまうレベルです。

 まあ百歩譲ってオカルトの描写が残念でも要素が面白ければなんとかなりそうなものなんですが、他の要素も特に面白くもなんとも無いのは困りもの。

 一応、『部屋の過去に隠された秘密』みたいなオカルトサスペンス的な要素はあるのですが、話が進んで行く途中で『どう考えても脇役っぽいポッと出てきた第三者』によって謎が解かれてしまって、謎解きの面白味とかは全くありません。

 また酒乱の母親との絡みの人間ドラマらしきものも描かれるのですが、単に母親のウザさが強調されているだけで、お話に深みを与えるような要素もコレまた全く無し。
 さも重要人物のように登場した妹の恋人も全く役立たずで、母親と同様に『何しに出てきたんだよ』って程度の扱いですし…

 ラストの『ちょっと意外な展開』も唐突過ぎて『何のこっちゃ?』って感じですし、とにかく色々と残念な部分が多すぎます。

 ちなみに、あまりに微妙なので『オリジナル版は面白かったのか?』と思って調べてみたところ、元々の作品もそこまで評判が良かった訳では無いようなので、ぶっちゃけ何でこの作品を敢えてリメイクしようとしたのかが『本作の最大の謎』な感じですよ…


 総評としましては、割と本気で『誉めるべき要素の思いつかない作品』と言った感じの映画です。

 もっととことん酷い内容なら別の意味で楽しめるのですが、中途半端に面白くなくて『観終わった後に真顔で「ツマんなかったね」と言いたくなってしまうレベル』なので、ネタ映画としてもオススメし辛いのが困ったところ。

 キレて暴れる程のクソでは無いですが、淡々と時間を無駄にしてしまうような作品ですので、よっぽど他に何もやる事が無くて時間を持て余しているか、敢えて『微妙な映画』を見て何かの境地に辿り着きたいという人ぐらいにしかオススメできないような一本でしたよ…