NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ワールズ・エンド/酔っぱらいが世界を救う!」(55点/SFコメディ)

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■■■「ワールズ・エンド/酔っぱらいが世界を救う!」■■■
(55点/SFコメディ)

 アラフォーになったゲイリーは、ある日、ワルガキだった学生時代に成し遂げられなかった『町の12件のバーでのハシゴ酒』にリベンジするべく、仲間達と共にニュートン・ヘイヴンの町へと戻ってくる。

 アラフォーになっても遊び人気分の抜けないゲイリーの提案にしぶしぶながらも付き合って順調にバーを制覇していく彼らだったが、とある店のバーで酔ってケンカになった際に明らかに人間とは異なる『青い血を流すロボットのような無表情な連中』に絡まれて乱闘になってしまう。

 それ以降、町の人たちの様子が何かおかしい事に気付いたゲイリーたちは、侵略者によって監視されているのでは無いかと考えたものの、ひとまず侵略者の目を欺くために12件目のパブである『ワールズ・エンド』を目指してハシゴ酒を続ける事となるが…



 学生時代を懐かしんで集まったアラフォーの酔っ払い5人が『謎の侵略者』による陰謀に巻き込まれるという、コメディ風味の侵略ものSF映画。

 ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ホットファズ」のエドガー・ライト監督の新作という事で期待してたのですが、正直『うーん?』って感じの映画ですね…

 『酔っ払いのコメディ』という事で、どうしても「ハングオーバー」と比べてしまう部分があるのですが、アラフォーの男たちが友情を取り戻したり自分の人生を見つめ直すようなテーマかと思いきやそういうノリでもないですし、コメディとしても中途半端でどういう方向性を描きたかったのかいま一つ判然としない印象のお話です。

 お話としては『アラフォーの男たちが学生時代を過ごした町でバーのハシゴをしている内に、町が何者かに侵略されて住民がロボットのような存在に入れ替えられている事に気付き…』みたいな流れで、いわゆる「ボディスナッチャー」タイプの侵略ものSFみたいなノリなのですが… (ロボット人間の目が青く光る辺りからして「光る眼」のパロディを意識してるのかな?)

 主人公たちの最終目的である『バーを12軒ハシゴする』というのと『侵略者の侵略を阻止する』という目的がいま一つ噛み合っておらず、主人公たちの行動も積極的というよりは全体的にダラダラと情況に流されているようなシーンが多いため、観ていてどうにも盛り上がりません。

 また、序盤で主人公たち5人のキャラの掘下げをするシーンに結構尺を割いているお陰で中盤までの展開もちょっと冗長な感じ…

 中盤以降はなかなか派手でスピーディな展開で面白いのですが、イキオイはあるものの主人公たちがどうしたいのかとかの『お話の着地点』が全く見えないのと、主人公の行動に何らかのポリシーやモチベーションのようなものが感じられないので、とにかくカタルシスが弱いんですよね。

 事件の解決方法も『そんなんで良いんか?』って感じの唐突な終わり方でスッキリしないですし、風刺的なネタなのかもしれませんがブラックなコメディにしてもネタが分かりにくすぎなので、もうちょっとストレートな内容で良かったんじゃないかと思います。
 (というか、普通に『酔っ払いたちがグデグデとやってるうちに何となく事件を解決してしまう』みたいなノリを期待してたんですが…)

 あと、キャラが掘り下げられてる割には主人公たちの行く末に関してはいま一つ解決してないような部分が多いですし、特にラストの後日談で主人公が何をやりたかったのかサッパリ分からなかったのは自分だけでしょうか?


 総評としましては、お話のテンポも良くそこそこ観れる映画なのですが、正直言って『期待はずれな印象を受ける映画』でした。

 「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ホット・ファズ」みたいなノリのお話を期待していたのですが、全体的に中途半端で『何をやりたいのか良く分からない作品』という感じ…

 まあエドガー・ライト監督らしいテイストは感じられる内容ではありますので、この監督のファンであれはとりあえずチェックしておいても良いとは思いますが、個人的にはどうにも不満の残る一本でしたよ。