■■■「デッドハング」■■■
(55点/サスペンス)
世界的な大手証券会社であるゴールド・キャピタルに務めるキャリアウーマンのジェーンは、ある日、同僚のマイクが謎の飛び降り自殺を遂げた事を知らされてショックを受ける。
ジェーンはマイクと親しかった事から、妻のパムから彼のデスク周りの遺品の回収を頼まれるが、デスクの整理中に机の影に隠された超小型のUSBメモリを発見。
その中のデータをチェックしてみたところ、社長のゴールドが大金を横領している証拠となる財務資料だと気付く。
上司のタフトにUSBメモリの事を相談した彼女は、深夜に会社の『危機管理の担当者』と名乗るフランクという男と面会する事になるが、マイクの自殺に疑問を抱いていた彼女は、男の不審な態度から彼こそがマイクを殺害した殺し屋であると気付くが…
世界的証券会社の社長の横領を知ったキャリアウーマンが、殺し屋によって深夜のオフィスに閉じ込められて命を狙われるという、サスペンススリラー映画。
半年ぐらい前に全く同じようなシチュエーションの「NSFW 絶対消去」って作品があったのでどうしてもそちらと比較してしまいますが…
テンポ良く小気味良いサスペンスだった「NSFW 絶対消去」に比べると、なんというか『普通の低予算シチュエーションスリラー映画』って感じの作品ですね。
別に本作も特に悪い出来では無いのですが、良くも悪くも凡作という感じの内容です。
お話のシチュエーションやらプロットやらはなかなか面白くて、作品のアイデアとしては悪く無いと思いますし、導入部分のお話の持って行きかたやらはそこそこ良い感じ…
ただ導入部分だけ観ると結構期待できそうな印象を受けるものの、中盤以降がとにかくテンポが悪いのが困りものです。
特にヒロインがエレベータに閉じ込められてからの展開がダラダラしすぎで、場面も全く移り変わりが無いためどうにもダレてしまいましたよ。
まあこの辺は『シチュエーションスリラーの宿命』とも言える部分ではあるのですが、もうちょっと上手く話を膨らませて欲しかったです。
終盤以降はちょっとだけ意外性のある展開になって面白くなってくるのですが、ようやく盛り上がりだしたと思ったらラストがあっけないほどアッサリとした結末で何だか拍子抜け…
サスペンスとしても最初から犯人がハッキリしすぎてて謎解き的に何の驚きも無いですし、ストーリー的にも『もうひと捻り』ぐらいあっても良かったんじゃないかなぁ?
ちなみに一番ビックリしたのは、パッケージに描かれているような『高層ビルの窓の外にヒロインが追い詰められているようなシーン』が本編で全く無かったという事かなぁ?
てっきりS・キングの短編小説みたいに『高層ビルの外周を歩いて回るようなシーン』があるのかと思ってたんですが、こんな部分で視聴者を裏切っていったい何がやりたいのかって言うのが謎すぎましたよ…
(敢えてそんな部分で客を騙したとしてもあんまりメリットが無いと思うのですが、もしかしてパッケージを描いた人は本編を観てないんじゃないかと…)
総評としましては、全体的に『あっさり薄味なシチュエーションスリラー映画』って感じの作品ですね。
何と言いますかツマんない訳じゃ無いのですが、面白そうなプロットの割にはどうにもアッサリ味すぎて物足りなさの残る映画でした。
気になっているのなら観るのを止める程ではないですが、同じようなシチュエーションの映画なら「NSFW 絶対消去」の方が全然面白かったので、もし未見であれば『そっちの方がオススメ』ってのが正直なところですよ?
>映画感想:「NSFW 絶対消去」(65点/サスペンス:結構オススメ)
http://blogs.yahoo.co.jp/uei_nanigashi/67284468.html