（５０点／サスペンス）
街外れの豪邸で暮らすヴァンパイアのジュナは、街で出会った脚本家のパオロに運命的なものを感じた事から激しい恋に落ちる。
ジュナの正体がヴァンパイアだとしったパオロは衝撃を受けるものの、彼の希望でヴァンパイアとなる事を選んだ事から、彼の血を吸って二人で一緒にヴァンパイアとしての新たな生活を始める事となる。
しかし、そんな矢先にジュナの妹のミミが彼らの元に訪れる。
彼女はヴァンパイアの中でも欲望を満たすためには殺人を何とも思わないような放蕩な性格の異端児で、彼らの元に次々とトラブルを引き寄せるが…
ヴァンパイアを愛してしまった男との異種族間の恋に行方を描いたラブストーリーをベースとした、エロティック風味のサスペンスホラー映画。
ちょっと耽美で官能的な感じのラブストーリーといういわゆる『雰囲気映画』系の作品で、テイストからてっきりフランスか欧州系の映画かと思っていたのですが、実際にはアメリカ映画という事でそういう訳でも無いようです。
（ただ欧州の映画祭で高評価された作品のようなので、そういうノリの作品ではあるんでしょうけど…）
ただ『欧州系の官能ラブストーリーっぽい作品』という事で、映画好きならばどんな感じの映画なのかは予想が付くと思うのですが、まあだいたい予想通りの作品って感じですね。
高評価されているという事で鑑賞してみましたが、いまひとつ主題やら登場人物の心理の動きが良く分からなくて、なんというか観ていてイライラというかモヤっとする内容でした。
やまり、どうにもこういう映画は苦手ですよ…
何が一番イライラさられたかって、ヒロインの妹のヴァンパイアなのですが『異端児』みたいな設定なのはともかく『欲望にかまけて毎晩人殺しを繰り返す』って、もう異端と言うよりも単なるキ●ガイのレベルです。
この妹が無計画に主人公たちに迷惑をかけ続けるうえに、特に同情の余地も無いようなキャラなので、ドラマ的にハラハラするとかよりも観ていてとにかくイライラさせられました。
あと雰囲気映画なのは良いんですが、ヒロインと主人公が愛し合うようになるきっかけも不明ですし、男の方が妹と浮気しちゃう理由やヒロインが男の友人を殺しちゃう理由も良くわからないですし、どうにもスッキリしない部分が多くてモヤモヤしっぱなしでしたよ…
男女の恋愛の機微とかが読み解ければ理解できるのかもしれませんが、どうにも自分には難易度の高すぎる映画でした。
総評としましては、欧州系の『雰囲気映画的なノリの官能サスペンス映画とかが好きな人ならば、結構好きなタイプの映画』なんじゃないかと思うのですが、自分にはあまり合わない映画でしたよ。
ちょっと芸術系の入った趣味のラブストーリーとか、そっち系の作品が好きなのであれば観ておいても良いとは思いますけど、ふだんウチのサイトで取り上げてるような作品が好きな人にはあんまりオススメは出来ない作品かなぁ？
まあ評価も高い作品のようですし雰囲気映画としては悪く無い内容だったと思うので、そういうのが好きで気になっている人の場合はお好みでチェックしておいても損はないとは思いますよ。
