NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ブラックフット クマ地獄」(40点/生物パニック)

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■■■「ブラックフット クマ地獄」■■■
(40点/生物パニック)

 カナダの自然公園にキャンプに訪れたアレックスとジェンのカップルは、アウトドアに詳しいアレックスの案内のもと『ブラックフットの小道』と呼ばれる森の奥の景観の良い場所を目指す事となる。

 森の奥地の道中で地元のガイドだと名乗るブラッドという下品でノリの軽そうな男に出会った彼らは夕食を共にするが、彼に不審なものを感じたアレックスはブラッドをまくために道を外れて脇道に入る事を選択。
 しかし数年ぶりにこの場所を訪れたアレックスは道を誤って、樹海のただなかで道に迷って立ち往生する事になってしまう。

 更に彼らはその行く先で巨大なクマのものと思われる痕跡を発見し…



 カナダの樹海のただなかで道に迷った若者たちが巨大なクマに襲われるという、生物パニック映画。

 なんかキワモノっぽいタイトルですが、販売版のDVDは単に「ブラックフット」ってだけのタイトルなのに、レンタル版は何故か『クマ地獄』というサブタイトルが付いているのですが、なんで地獄…って普通に「ブラックフット」だけじゃアカンかったんでしょうか?(笑)
 というか『サメ地獄』って副題は「オープンウィーター」じゃなくて「レッドウォーター」というC級映画の副題なんですが、何か色々間違ってる気がします。

 まあ、それはさておき…

 本編の方は、いわゆる『実話をベースとしたストーリー』というタイプの作品で、ひと言で言ってしまえば樹海版「オープンウォーター」というかクマ版「オープンウォーター」みたいなお話ですね。

 いわゆる、このタイプの『実話ベースもの』のお約束という感じではありますが、そこまでストーリーらしいストーリーは無くて『遭難した若者たちがクマに襲われる』というホントにそれだけのお話ですね。

 この手の作品は『リアリティがあって怖い』というのがウリになると思うのですが、本作に関しては正直なところ『うーん?』と言わざるを得ないような内容…

 確かにリアリティはあるのですが、困った事に『クマ地獄』の割には肝心のクマがあんまり出てきません。

 中盤辺りからクマっぽい痕跡とか影とかはチラチラしだすのですが、かなり終盤までクマの本体が登場しないために、いまひとつ緊張感が無いんですよね。

 それまで何をやってるかというと、あんまり仲が上手く行っていないカップルのギスギスした感じの様子を延々と見せられる感じで、正直言ってちょっとダルい印象。

 演出とかでそれなりに緊張感は持たせようとしているものの、やはり怪物が登場しないシーンばかりでは盛り上がるにも限度があるのが困りもの。

 テントの外をクマが徘徊してるシーンとかは結構怖いんですけど、怖いシーンがホントに一瞬だけなんですよね…
 ホントにクマだけにクマったもんです…って、かましわっ!!

 あと肝心のクマが出現して以降の襲撃シーンもちょっと単調で盛り上がりに欠けて、全体的にどうにも迫力が無いのも残念なところ。

 でも、『恋人どうしでギスギスした』うえに『クマに追い掛け回される』という主人公たちの『焦燥感』は良く出ており、クマに追跡されるシーンでの『ピンボケしたような視界の演出』とかで恐怖感をあおる感じは、なかなか良いセンスだと思いました。

 ただクマの存在感が意外と無くて絶望感みたいなものも味わえないため、生物パニックものとしては印象が弱いのは難点ですねぇ。
 ラストもコレといったオチも無いまま終わる感じで、なんか盛り上がらないですし…

 演出やら映像センスやら観るべきところも無くはないので、もうちょっとクマの出番を増やしてクマの怖さをシッカリと描いてくれてればそこそこ楽しめる作品になったんじゃないかと思うので、なんとも惜しい感じの作品でしたよ…


 総評としましては、生物パニック映画としては『どうにも物足りなさの残る作品』ってのが正直なところです。

 いわゆる「オープンウォーター」みたいな『実話系』の生物パニック映画が大好きな人ならば、それなりにチェックしてみても損は無いとは思うのですが、逆に普通にクマの暴れる姿を見たい人にはあまりオススメ出来ない作品って感じですかね?

 まあ『物足りない』ってだけでそこまで悪い出来の作品では無いので、気になっているなら観ておいても良いんじゃないでしょうか…