■■■「ラバランチュラ 全員出動!」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)
20年前に主演映画が大ヒットしスターとなったアクション俳優のコルトンは、今では過去の栄光は見る影もなくB級映画に出演する事で糊口をしのぐ毎日を過ごしていた。
しかしそんなある日、撮影スタジオからの帰宅時に地震と火山の噴火に遭遇した彼は、火口から『溶岩を吐く巨大なクモ』の大群が飛び出して来る現場を目撃。
なんとか怪物の襲撃を免れた彼は、街が大パニックに陥るなかで連絡の取れなくなった息子のワイアットを救う為に、巨大グモが徘徊する街中へと飛び出していくが…
かつての映画スターである一人の男が火山と巨大グモの襲撃から街を守るために戦う事になるという、モンスターパニック映画。
なんでも、過去に「ポリスアカデミー」シリーズに出演していたメンバーが集合して出演した作品(タイトルに『全員出動!』というサブタイトルが付いているのはその辺が元ネタ)という事なのですが、そう言われても流石に30年も前の映画なので、自分はいまひとつどんな人が出ていたのかまで良く覚えていませんよ…
(でも、主人公の俳優とかは確かに見覚えがある気がします…)
『かつての映画スターがヒーローとして復活する』というようなテーマを描いた作品なのでそれにちなんだ配役なのでしょうが、なかなか話題性としては面白いチョイスだと思います。
ただ話題性だけの一発ネタ映画という訳でも無く、モンスターパニック映画としても割とシッカリと作られているのは好印象。
非常にお話のテンポが良くて、序盤からモンスターもジャンジャン登場して暴れまくってくれて、とにかく視聴者を退屈させないような作りなのは良い感じ。
主人公のキャラクターも良く立っており、かつてのヒーローの復活劇を描いたサクセスストーリーとしても良くまとまっていますし、終盤のヒーローものらしい熱い展開も良く出来ています。
尺は80分ちょいと短めですが細かい説明を省きつつ楽しめる要素を上手く詰め込んだ感じで、非常にコンパクトにまとまった『お手本的なB級モンスター映画』という感じの内容ですね。
ただ、いかんせんB級なので不満点も非常に多く、最大の難点はやはり作品の低予算っぷり。
なによりもモンスターのCGがショボ目で合成レベルが低く、背景から浮きまくりで作り物全開なのはやはり辛いところですね…
他にも爆発とか火災とかの映像(CG)もショボくて、加えてエキストラとかにもそこまでお金がかけられてないので、とにかく映像が全体的に非常にチープで安っぽいです。
他にも主人公まわりのキャラはシッカリ描かれているのに、周辺のサブキャラの扱いが矢鱈とぞんざいで、割と重要そうなキャラが何の盛り上がりもなく矢鱈と殺されるのは、見ていてちょっとモヤっとしましたよ…(もうちょっと見せ場を作ってやれよと…)
あとラストの展開は結構熱いのですが、それ以外で山場と呼べるような部分が殆ど無くて、ちょっと見どころに欠ける印象があったのも残念なところかなぁ?
(逆にどのシーンでも平均的に怪物が出てるので、全体的にそこそこ見れる作りだとも言えるんですけど…)
ちなみに、作品の途中で「シャークネード」の主人公がカメオ出演でちょっとだけ出てたりするのですが、同じ制作会社が作った映画だったりするのかしらん?(なんとなくノリとか雰囲気も似てる感じだし…)
総評としましては、低予算ながらもなかなか良く出来た『佳作レベルのB級モンスター映画』って感じの作品ですね。
この手の低予算モンスター映画が好きな人であれば、割と普通に楽しめる良作だと思いますので、そういうのに興味のある人ならば観ておいて損の無い一本だと言えるでしょう。
あと「ポリスアカデミー」の大ファンだった人とかは、『かつての俳優がこんな役で…』とかって部分でも楽しめるかもしれませんので、気になっているならばチェックしてみても良いかもしれませんよ。