NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ラザロ・エフェクト」(55点/サスペンス)

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■■■「ラザロ・エフェクト」■■■
(55点/サスペンス)

 カリフォルニアの聖パテルヌス大学で医学の研究をするフランクと婚約者のゾーイらの研究グループは、死者を復活させる薬を開発するという『ラザロ計画』の研究を行っていた。

 研究の甲斐あって犬での生物実験に成功した彼らは、完成まであと一歩の段階へと到達するが、そんな最中に大手製薬会社の買収により実験の成果を取り上げられそうになるという事件が発生。
 焦った彼らは実験を強行したところ、些細なミスによってゾーイを感電死させてしまう。

 悲嘆にくれるフランクは、ゾーイに対して研究途中の『ラザロ血清』を使う事を決意し、周りの反対を振り切って彼女を復活させる事に成功。

 しかし復活した彼女は身体に異常な変化を来したうえに、『死後の世界』での体験によって以前の彼女とはどこかが違う存在になってしまっていたのだった…



 死者を蘇生させる実験『ラザロ計画』を研究するプロジェクトのメンバーが、事故死した恋人を蘇生させたせいで恐るべき事態に遭遇するという、オカルト風味のサスペンスホラー映画。

 パラノーマル・アクティビティ」や「インシディアス」のスタッフの制作による、『死者の復活』を題材としたホラー映画という事で、なんとなく鳴り物入りっぽく取り上げられていた作品でしたが、鳴り物入りの割にはなんというか『普通の出来』という言葉がシックリくるような作品でした。

 お話としては『死者の復活の実験を行う研究チームの研究者が事故で死なせてしまった恋人を蘇生させるために実験を強行したところ、実験には成功したものの復活した彼女は『以前の彼女』とは違ってしまっており…』という感じの内容。

 リアル寄りの設定で『死者の復活』を扱った作品テーマはなかなか面白くて、なんちゃって医学な設定ながらも実際の最新医学の要素なんかも取り入れられており、なかなか臨場感があります。

 また最新の研究所とオカルト的な要素の組み合わせという作品の雰囲気なんかも良く出来ていて作品のつかみとしては非常に良い感じで、予告とかで観た感じは期待できるかと思ったのですが…

 ぶっちゃけて言ってしまうと、本当に『それだけの映画』という感じなんですよ。

 何が微妙かって言うと、とにかくストーリーが全体的に非常に安っぽいところ…

 復活した聖人『ラザロ』の名前をタイトルに冠していたりするので、てっきり医学の禁断の領域とか宗教的な要素があるのかと思っていたのですが、そういったテーマ性のような要素は殆どなし。

 お話の流れも『復活したヒロインが性格が豹変したうえに超能力を使えるようになってて周りの人間を殺しまくる』ってだけの展開で、意外性も深くツッコンだ部分もなくて全体的に物凄くアッサリしています。

 主人公の医師とヒロインの関係とか人間ドラマ的な要素もあるにはあるんですが、その部分も物凄く薄くて感情移入とか全くできないですし、主人公が復活したヒロインを再び殺そうとするまでの展開も決断に何の逡巡も無くて『えっ、それで良いの?』って感じ…

 ヒロインが豹変した理由の謎解きも『なんじゃそりゃ?』って感じの設定ですし…(っていうか、これって元々のヒロインの人格に難があっただけで、ラザロ計画自体の問題点じゃ無いのでは…)

 ラストもたいした盛り上がりもないうえに、何が言いたいのか良く分からない投げっぱなし系のオチですし、全体的に『もうちょっとどうにかならなかったかなぁ…』ってのが正直なところでしたよ。


 総評としましては、なんというか良くも悪くも『普通レベルのオカルト風味のサスペンスホラー映画』って感じの作品です。

 作品の題材や雰囲気は良いんだけどそれ以外がアッサリしすぎで、予告とかで期待していた割にはどうにも物足りなさの残る内容の映画でしたよ…

 まあ物足りない感じだったものの総じて出来は悪くない内容でしたので、気になっているのであれば普通にチェックしておいても良いって程度の一本ではあると思いますよ。