（６０点／オカルト：結構オススメ）
SNSの「友達」の登録数が800人を超える社交的な女子大生のローラは、ある日、「友達」の登録数が０人のマリーナという不思議な雰囲気を持つクラスメイトから友達申請を受ける。
特に深く考えずにマリーナを友達登録した彼女だったが、登録した直後からマリーナにストーカーのようにしつこく付きまとわれるようになり、怖くなった彼女はマリーナを友達から削除するが、その翌日にショックからかマリーナは自殺してしまい、ローラは不気味な悪夢に悩まされるようになる。
更にローラの友達が次々と変死を遂げて、その死の場面の動画がローラのアカウントに勝手にアップされるという事件が発生。
加えて、死んだはずのマリーナの友達登録がいつの間にか復活しており削除も行う事が出来なくなっていた事から、何者かがネットワークに侵入しているのではないかと疑い、コンピュータに詳しい友人に相談するが…
SNSで「友達」に登録した謎の少女のアカウントを削除したところ少女が自殺してしまい、それ以降不気味な事件が身の回りに発生するようになっていくという、オカルトサスペンス映画。
『主人公に付きまとうストーカー気質の友達が自殺して、その後に不気味な現象が次々と起こるようになっていく…』という、ネタとしてはオーソドックスなタイプのアイデアのオカルト作品ですが、SNSやネットの世界を題材とすることで、なかなかうまい具合に現代的にアレンジした作品ですね。
ありがちな題材ながらも作品の出来の方もなかなか良く出来ており、中身の方は普通に楽しめるタイプの良質オカルト作品といった感じの印象。
犠牲者となる主人公の友達が『怪奇現象に見舞われるシーン』の映像なんかがなかなか良くて来ており、絵的にも怖くて楽しませてくれるのが何よりも良いところでしょう。
謎の少女が描いた絵がそのままリアルに出現するという感じの演出とかも、非常に凝った感じのに絵作りになっていて観ていて面白いです。
『謎の少女』の秘密に関する謎解きパートもなかなか良く出来ていて、作中に登場する『オカルト結社』っぽいのは恐らく架空のものだと思うのですが、この『鏡』を題材としたオカルトっぽい世界観とコンピュータやSNSが上手い具合に絡められており、絶妙にリアリティをかもし出すような凝った設定になっているのも上手いですね。
全体的に世界観の作り込みになかなか凝った部分が感じられるのが、非常に良くて出来ている部分だと思います。
また全体的にお話のテンポも良くて、主人公周りのキャラクターも良く立っているために、退屈せずに最後まで観る事ができるのも良い感じかと…
若干の不満を挙げるとしたら、お話の元凶となる『謎の少女』がいまひとつキャラが薄めで、ちょっと印象に残らない感じだという事。
外見にせよキャラクターにせよ、もうちょっと濃くてインパクトがあった方が良かった気がします。
ラストのオチも中途半端な投げっぱなしという感じでパンチに欠ける終わり方だったので、ハッピーエンドにせよバッドエンドにせよもうちょっとシッカリとオチを付けた方が良かったんじゃないかなぁ？
総評としましては、全体的に良く出来た感じの『オリジナル要素の強いオカルトサスペンス映画』といった感じの作品ですね。
若干の不満点もあるものの、映像も演出も世界観も全体的にバランス良くまとまったソツの無い内容だと思います。
絶賛とまでは行かないですが、ので、その手のサスペンス系のオカルト映画が好きであれば普通にオススメできる一本だと言えるでしょう。
