NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「グリーン・ヘル」(25点/サスペンス)

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■■■「グリーン・ヘル」■■■
(25点/サスペンス)

 ボスニア人のセルマは、恋人のアレックスと共に彼女の故郷を訪れた帰り道で、携帯電話も通じないような森の中で車が故障してしまい立ち往生する事となってしまう。

 彼女たちは助けを呼ぶために森の中を歩いて町へと向かう事となるが、その場所はかつての紛争の際に地雷が埋められた場所で、彼女の愛犬が地雷を踏んでしまった事によって彼女自身も負傷してしまう。

 セルマたちはそこで、たまたま森の中で『地雷を処理していた』という2人組の男たちに助けられる事となるが、男たちの態度に不審なものを感じた彼女は男たちの隙をついて逃げ出そうとするが…



 過去の紛争で地雷の埋められた森の中で不審な男たちと出会った男女が、なんとかして危険な森から脱出しようとする…という、サスペンススリラー映画。

 予告を観ると、森の中に地雷が埋まってたり、怪しい男たちにレイプされそうになったり、正体不明の怪物が登場したりと、矢鱈と難儀な設定の訳の分からない話という感じですが、実際の中身の方も『ナンジャコリャ?』って感じの映画です。

 何がナンジャコリャ?なのかというと、いわゆる妄想とか電波系のサイコサスペンス系の映画なんですよね。

 割と序盤の方でヒロインが地雷の爆発に巻き込まれるんですけど、そこから後の展開はぶっちゃけ『何が夢で何が現実なのかサッパリ分からない』みたいな感じでサスペンスが展開していきます。

 部分的に『このシーンは現実の光景っぽいかな?』みたいな感じに思う場面もあるのですが、本作の場合は良く分からない展開の比率があまりにも高すぎなうえに、それっぽい展開から謎を紐解いていくという訳でも無いので、途中から『どうせこれも妄想なんでしょ?』みたいに思うようになってしまい、緊張感が無くなってしまうのは困りもの。

 また『妄想(夢?)』っぽいシーンの展開が物凄くグテグテなので、自分は途中からマジメに見るのを放棄してしまいましたよ。
 ネタバレしてしまうと最終的に『どういう話だったのか』の解答らしきものを全く描いてくれないので、最後まで訳が分からないままでした。

 まあ電波系でも雰囲気映画として楽しめるのであれば、それでも良いのですが、本作はそういった部分でもイマイチ楽しくないのは困りものです。

 何が辛いって、主人公のヒロインが最初から全ての相手に対して『異常に強硬なうえに敵対的』で、正直なところ観ていて主人公に全く共感できないせいで謎解き以前にとにかくイライラさせられます。

 まあ実際のところ、本作の主題はサイコサスペンス的な部分ではなくて、ヒロインがボスニア紛争で家族を喪った』という設定の過去のトラウマを抱えていたり、紛争の遺物である『地雷』が物語のきっかけとなっている辺りからしても、『怪しい男』たちやら『怪物』やらは『戦争や紛争』をモチーフとしたオーマジュとして捉えるのが正しい鑑賞の仕方なんでしょうねぇ…

 ただ、個人的にボスニアの紛争とかに関して特に詳しい訳でも無いですし、流石にそんな良く知らない出来事に対して感情移入もできないので、ただただ意味が分からなくて辛いだけの映画という感じでしたよ…


 総評としましては、最初に言ったとおり『ナンジャコリャ?』としか言いようが内容の『良く分からない映画』という感じの作品です。

 ボスニアとかその辺の世界情勢に詳しければそれなりに楽しめる内容なのかもしれませんが、自分にはちょっとハードルが高い作品でしたよ。

 まあ電波系の作品とか、ちょっと社会派で色々と考えさせられる内容とかが好きであればそれなりに楽しめる内容かもしれませんので、気になるならばチェックしてみても良いかもしれません。