NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ディープ・コンタクト」(40点/モンスター)

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■■■「ディープ・コンタクト」■■■
(40点/モンスター)


 自然ガイドのアリアンは、ある日、科学調査のため廃坑となった鉱山へと科学者のチームを案内する事となる。


 その場所は、かつて33名の死者ち162名の行方不明者を出した悲惨な鉱山火災が発生し、それに伴って1000人あまり居た町の住人も姿を消して地図から消されたという曰くの残る場所だった。


 鉱山の場所を突き止めた彼らは、地元の住人の不穏な警告を無視してその廃坑へと訪れるが、その鉱山は実は火災ではな『地下から出没した謎の生物』に壊滅させられたという、恐るべき秘密を持った場所だったのだ…

 


 とある科学者のチームが地図から消えた謎の廃坑に調査に向かったところ、正体不明の地底生物の襲撃を受ける…という、モンスターパニック映画。


 なんとなくノリ的にはトレマーズ辺りをリスペクトして作られた雰囲気のある作品ですが、登場する怪物は「ディセント」の地底人みたいな連中なので、実際の中身の方は『「トレマーズ」と「ディセント」を足したあとに希釈して5ぐらいで割ったような作品』という感じの内容です。
 ちなみに、パッケージにもトレマーズ」のグラヴォイズっぽいモンスターが映っていますが、こんなモンスターは本編には一切登場しません…っていうか誰だよお前!?
 (もしかしたら、ラストの方でチラっと出てきたクイーンのつもり?)


 お話としては『火災で閉鎖されたと言われていた炭鉱街だけど、実は地底から現れた謎の生物によって壊滅していました』みたいな感じの設定なのですが、モンスターが本格的に登場するまでの序盤の雰囲気作りは非常に良い感じ。


 廃坑の町の寂れた感じやら、不自然に主人公たちを追い返そうとする不気味な住民たち…といった雰囲気作りが非常に良く、『鉱山火災と言われているが実際には何が起こったのか?』といった謎の提示の流れなんかも良く出来ており、『「トレマーズ」をクソ真面目にしてみた』みたいな感じのテイストで導入部分の印象は悪くありません。


 ただ問題なのは中盤以降で、低予算映画にありがちなパターンなのですが『とにかくモンスターがなかなか登場しない』のは困りもの。


 お話が動き出すまでの尺も結構長いですし、登場した後も殆どのシーンがチラっと画面に映ったり、闇の中でぼんやりとしたシルエットが見えるような程度といった状態。


 最初は単に勿体ぶっているだけかと思ったのですが、ラストまで徹底してモンスターの姿が画面にマトモに映らないので、これはよほど着ぐるみの出来が悪いのか、もしくは『画面にハッキリ映さない事でリアリティを追求する』という監督の拘りなのか…(あるいは、その双方か?)


 どちらにせよ、モンスター映画で全くモンスターが画面にマトモに登場しないのは、流石にちょっと物足りなさを感じざるを得ません。


 お話のテンポもあまり良くないですし、モンスターもネオモーフとゴラムの合いの子みたいなデザイン(チラっとしか見えないけど)で特に面白味が無く、襲撃方法とかも個性のようなものも殆ど感じられないため、モンスター映画としての面白味に欠けるのは困りもの。


 ただ終盤で登場する『地底人クイーン』みたいなのは、なかなかキモくて良い味を出してたので、その辺でもうちょっと個性が出せてればなぁ。


 ラストのオチも割とカッコ良くて悪くない感じだったので、もうちょっとテンポが良くて、シッカリとモンスターの『怖さ』が描かれてれば悪くない作品になったのではないかと思うのですが…

 


 総評としましては、『どうにも退屈で盛り上がりに欠けるモンスターホラー映画』って感じですね。


 オススメするほどではないですすが、雰囲気作りやら映像センスやらは悪くないですので、そういう雰囲気重視のモンスター映画が好きであれば、まあまあ楽しめなくはない作品かも?


 急いで見るような映画ではないと思いますが、気になるようであればサブスクリプション系の配信サイトとかに入ったタイミングででもチェックしてみても良い一本かもしれませんよ。