NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「トレマーズ コールドヘル」(55点/モンスター)

イメージ 1

■■■「トレマーズ コールドヘル」■■■
(55点/モンスター)

 ある日、北極圏の雪上で作業中の研究員が『グラボイズ』と思われる巨大生物に襲われるという事件が発生。

 これを受けて政府は、世界で唯一のグラボイズの専門家と言えるバートへと協力を依頼する。
 連絡を受けたバートは、南アで相棒となったトラヴィスと共に北極圏の研究施設へと向かう事となるが、北極の上空で飛行機が非行型のグラボイズである『アスブラスター』に襲撃を受けてしまう。

 なんとか不時着して難を逃れた彼らだったが、観測施設の側に不審な軍の秘密の施設があり、最近になって奇妙な研究を開始したという話を聞いた事から、グラボイズの出現と軍の研究に何らかの繋がりがあるのではないかと疑いを抱くが…



 北極圏にグラボイズが出没した事から、グラボイズハンターであるバートとトラヴィスが事件解決のために現場に向かう事となるが…という感じのトレマーズ」シリーズの最新作にあたるモンスターパニック映画。

 巨大なワームのような地底生物『グラボイズ』が大暴れする人気作である「トレマーズ」シリーズの第6弾に当たる作品ですね。

 物語としては、バートたちが南アフリカで新種のグラボイズと対決した続きのお話という感じになっており、前作で仲間になったトラヴィスも変わらずレギュラーとして続投しております。

 主人公のバートは、すっかり『グラボイズハンター』としての立場が板についた感じで、もはや『グラボイズと対決するのは必然』のようなノリになっているため、『主人公が怪物と戦う動機付け』とかって辺りの説明は一切不要です。

 加えて、怪物の正体や特性も今さら説明が不要な状態なので、余計な説明とかが一切ないままに『怪物と主人公たちの対決』がメインでお話が進んでいくのは、無駄な要素が無くてある意味で『話が早い』感じで良いですね。

 グラボイズの方も、前作で登場した『地中からジャンプするタイプ』に加えて、久々に飛行型の『アスブラスター』なんかも出現。
 陸に空にと派手に戦いを繰り広げてくれます。

 ただ、メインの伏線やら設定の部分で物語として描くような要素が無くなったのを埋め合わせるためか、今回の新作は何だか周辺の設定が矢鱈とゴチャゴチャしすぎな感じ…

 バートがグラボイズの持つ寄生虫に感染していたり、経営するガンショップが税金の不払いで差し押さえの危機だったり、政府の陰謀論の話が出てきたり、新ヒロインの一人が旧シリーズのとあるキャラの娘だったりと、無駄に大量の情報が詰め込まれている感じで観ていて煩雑な印象を受けました。

 『主人公の店の差し押さえの話』等と物凄く適当な扱いのどうでも良い要素が多めなのに加えて、久々に登場したアスブラスターも単なる『にぎやかし』みたいな感じでたいして出番が無かったのも残念なところ。

 お話全体の流れとしても、起伏に乏しくダラダラとグラボイズと戦っている感じになってしまっており、ちょっと盛り上がりに欠けてしまうのは残念なところです。(ラストの展開とかは、なかなか熱くて良かったですけど…)

 とは言え、不満はあるものの『低予算のモンスターパニック映画』として観ると、あいかわらず安定してそこそこ良く出来ているのも事実で、バートを中心とした主人公たちのキャラも良く立っていますし、グラボイズもモンスターとしては魅力的に描かれているのは良い感じですね。

 南アフリカに行ったり北極に行ったりと、新作ごとにロケーションを変えるとかの工夫は観られるものの、やはりちょっとマンネリ感が感じられるのは辛いところなので、何かシリーズとしての新たなアプローチに期待したいところではありますよ。


 総評としましては、前作同様に『まあまあ良く出来た低予算系のB級モンスター映画』という感じの作品です。

 今までのシリーズが好きだった人であれば、今回も『普通に楽しめるレベルの新作』だと思いますので、気になるのであればチェックしておいて損は無い一本でしょう。

 ただ、前作から割とガッツリとお話が繋がっている部分があるので、前作のトレマーズ ブラッドライン」を観てない人は、そちらから先に観ておく事をオススメしますよ。