NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ヘル・ディセント」(60点/モンスター)

■■■「ヘル・ディセント」■■■
(60点/モンスター)


 2017年4月。
 米国空軍のパイロットであるシンクレアは、作戦を追えて帰投中にゲリラによる攻撃を受けて、愛機を砂漠へと墜落させられてしまう。


 なんとか飛行機から脱出したものの、ゲリラ兵の追撃を受けた彼女は、とっさに放棄された旧ソ連軍の地下施設と思われる場所へと逃げ込むが、そこで正体不明の怪物に遭遇。


 怪物がゲリラ兵を虐殺している隙に施設から逃げ出した彼女は、偶然にもパトロール中の米軍の地上部隊によって救出されるが、米軍の兵士たちは彼女が地下施設で目撃したものの話を信じようとせず…

 


 アフガンで戦う米軍の部隊が旧ソ連の極秘研究施設から出現した怪物たちと戦う…という、アクション映画風味のモンスターパニック映画。


 「ヘル・ディセント」なんてタイトルが付いているものの、地底探検や洞窟探検要素は無いので『どこに「ディセント」要素があるんだろう?』と思ってたら、「ディセント」と同じニール・マーシャル監督によって撮られた新作映画なんですね。


 でも、ノリとしては「ディセント」と言うよりは、同監督の「ドッグ・ソルジャー」(軍の特殊部隊が狼男と戦う映画)に非常に似たテイストを持った作品で、むしろ「ドッグ・ソルジャー」の『精神的続編』みたいな作品と言っても良い感じの内容かも?


 お話としては『撃墜された英国空軍のパイロットが、たまたま逃げ込んだ旧ソ連の放棄された軍事施設で正体不明の怪物に遭遇。米軍の地上部隊に救助されるものの、怪物は彼らの前線基地まで襲撃に現れ…』みたいな感じの展開。


 『軍の「はぐれもの部隊」が正体不明の怪物と戦う』という辺りのプロットも「ドッグ・ソルジャー」に良く似ていますし、登場するキャラのキャラ付けやら作品のテイストにも似通っている部分が多くて、なんとなく既視感を感じてしまうようなレベルなのはご愛敬。(笑)


 かなり低予算で作られたモンスター映画という感じなのですが、実際の中身の方は『良い意味でニール・マーシャル節が全開の作品』という印象。


 全体的に非常にテンポが良くサクサクとお話が進んでいくような構成で、『完全武装の陸軍部隊と正体不明の怪物とのガチンコバトルをひたすら描いただけの内容』で、出し惜しみなく大暴れする怪物たちを、これまた出し惜しみのない銃撃戦で迎え撃つ軍隊の様子が派手に描かれています。


 怪物はバイオハザード」のリッカーのような、いわゆる『グール』っぽいデザインの怪物で、ボディスーツっぽい着ぐるみで作られているのですが、恐ろしいほどのタフさと素早い動きでところ狭しと大暴れしてくれるので、なかなかに迫力があって良い感じ。


 ただモンスターのデザインとしてはやや定番すぎて、ちょっと面白味に欠ける感があるのは残念なところかも?


 また主人公たちのキャラも良く立っておりみんな良いキャラをしているのですが、全員がちょっと見せ場に乏しい印象があったので、主要キャラにはもうちょっとハッキリとした見せ場があっても良かったかなぁ?


 最初にも言ったとおり、同監督の「ドッグ・ソルジャー」とテイストが近い内容のため、どうしてもそちらと比べてしまうのですが、全体的にもうちょっとケレン味の強い内容でも良かった気はしますよ…

 


 総評としましては、低予算ながらも『なかなかに良く出来たB級アクション風味のモンスターホラー映画』って感じですね。


 良い意味で『B級アクション映画らしい良く出来た作品』なのですが、本作ならではのオススメポイントとかはちょっと乏しくて、やや食い足りなさの残る作品という印象。


 ニール・マーシャル監督の「ドッグ・ソルジャー」が好きだった人やら、単純にサクっと楽しめるアクションホラー映画を求めている人であれば、普通にチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。