NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ソフト/クワイエット」(50点/サスペンス)

■■■「ソフト/クワイエット」■■■
(50点/サスペンス)


 幼稚園に勤めるエミリーは、友人たちと共に白人至上主義者のグループである「アーリア人団結をめざす娘たち」を結成する。


 友人や知人たちを集めて、教会でグループの会合を開くことになった6人は、『多様性』等を理由に『白人以外が優遇されている出来事』を報告したり普段から感じている不満をぶつけ合い、思想を共有して大いに盛り上がる事となる。


 エミリーの自宅で二次会を開くこととなった彼女は、会合のメンバーの一人であるキムの家で食料品の買い足しを行うが、そこで出会ったアジア系の姉妹と激しい口論が勃発。


 腹の虫が納まらない彼女たちは、仕返しに姉妹の家へと侵入して悪戯を仕掛けようとするが、その行為がやがて恐ろしい事態へと発展していくのだった…

 


 白人至上主義者の女性グループの面々が、たまたま出会ったアジア系の姉妹と喧嘩を起こしてしまい、それを契機に恐ろしい事件へと発展していく…という感じのサスペンススリラー映画。


 妙に『人種ネタ』の好きなホラーメーカーであるブラムハウスが製作しており、最初から最後までがワンショットの映像で撮影されていたりと、割と個性的なテイストの強い作品です。


 お話としては『白人至上主義者のグループが、たまたま買い物先で出会ったアジア系の姉妹とケンカになるんだけど、過激な思想の彼女たちの行動はどんどんエスカレートしていき、やがて取り返しのつかない事態へと発展していく』みたいな感じの内容なのですが…


 ひと言で言ってしまうなら『胸糞系サスペンススリラー映画』というのが一番分かりやすい表現の映画かも?


 この主人公を含む『白人至上主義者』の集団が、とにかく『ヤバい思想の連中の集まり』で、最初のうちは『多様性を理由に白人が割を食ってるような事案』への批判的な話とかで納得の行く部分もあるのですが、途中からはナチュラルにアジア系人種をバカにして無駄にケンカを売って、それだけでは飽き足らずに『相手の自宅まで嫌がらせのために押しかけて行く』という狂いっぷりは、流石に胸糞悪すぎて観ていてイライラさせられてしまいました。


 仲間うちのエコーチェンバー的な環境で行為がエスカレートしていく様子やらを、ひと繋がりの『ワンショット映像』として表現する事で『取り返しのつかない事態』に踏み込んて行く流れを表現しているのは面白いと思うのですが、とにかく直球ストレートに『どんどん胸糞悪い気分になっていく』のが観ていて辛いです。


 特に『主人公の旦那さん』は、特に理由もなくこんな訳の分からない事件に巻き込まれてしまって、可哀そうすぎやろとしか…


 ネタとしては、近年の世界的な異常なまでの『多様性至上主義』へのアンチテーゼ的な部分があるのかもしれませんが、ここまで胸糞の悪い内容にする必要があったんかと?


 あと、ワンショット映像は確かに『取り返しのつかなさ』を上手く表現しているとは思うのですが、それ以外の部分では特に効果的に使われている訳でも無くて、単に『ちょっと見づらい映像』になってしまっているのも気になるところ。


 ラストも妙に投げっ放しな感じの終わり方で、ちょっとモヤっとする感じになってしまっているので、別にワンショット映像にこだわる必要性はあまり無かった気がするのは自分だけですかね…

 


 総評としましては、雰囲気は悪くないとは思うんですが『どうにもイライラ&モヤモヤした気分になってしまう胸糞系サスペンススリラー映画』って感じですね。


 むしろ『胸糞系の作品が好物』みたいな人であれば、割と楽しめる内容にはなっていると思うのですが、自分的にはあまり好みのテイストではなかったのでどうにもスッキリしなさの残る作品でしたよ。


 でもまあ、ブラムハウスの作品だけあって作品としての質は高いですので、設定やら方向性やらに興味が湧いた人であれば、普通にチェックしておいても損の無い一本だと思います。