NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「フォービドゥン・プレイス 禁じられた場所」(25点/モンスター)

■■■「フォービドゥン・プレイス 禁じられた場所」■■■
(25点/モンスター)


 カナダの森林地帯の湖岸。
 友人らと3人でキャンプをしていたエイプリルは、カヌーで川下りに訪れていた人気ロックバンドのバンドマンであるミッチと出会う。


 バンドの曲作り担当であるエリックがスランプに陥り、気分転換とインスピレーションを得るためにバンドの巡ってで『先住民の伝説の地』を巡っている事を知った彼女は、3人に同行して森の奥へと向かう事となる。


 しかし、キャンプでドラッグを楽しんでいたところ、メンバーの一人が頭から血を噴き出して倒れるという謎の事態が発生。
 携帯も通じず警察や救急を呼ぶ手段も無く途方にくれていたところ、森の奥からあきらかに人間ではない『異形』の影が彼らを監視している事に気づくが…

 


 スランプに陥ったバンドメンバーがインスピレーションを得るために『先住民の伝説の地』を訪れたところ、その場所で予想だにしない恐怖に遭遇する…という、オカルト要素強めのモンスターホラー映画。


 プロットとしては『先住民の伝説の地に冒険に訪れた若者たちが、正体不明のモンスターに襲われる』という割とありがちな感じのお話ではあるのですが、『自分の才能の限界を感じたバンドのメンバーがスピリチュアル的なものに頼るために先祖の伝説の場所を目指す』というのは、ちょっと捻りの効いた設定という印象。


 ただ設定は凝ってはいるのですが、それが本編に活かされているかと言われると、ちょっと微妙なところなのは困りもの。


 まず、お話の前半は『バンドのメンバーがドラッグをキメながら森の中でグダグダやってるだけ』で、モンスターも全然登場しないですし、『先住民の伝説の地』も特に墓地とか遺跡とか遺構のようなものがある訳でもなく、単純に『何もない森の中』なのでビジュアル的にも全く面白味がありません。


 ダラダラと珍道中を繰り広げつつも、中盤で同行者の一人が死んだ辺りからようやくお話が前に進み始めるのですが、その後も主人公たちはやはりダラダラと『先住民の伝説の地』巡りをするだけで、ラスト辺りまで特に見せ場のようなものは無し。


 またその辺りからモンスターも出現するようにはなるものの、モンスターも単に森の中でウロウロしてるだけで殆ど何もしてこないため、とにかく盛り上がるような要素がありません。


 ラスト近くでお話の謎解き的なものが行われたあとは、ようやく少しだけ盛り上がる展開になるのですが、盛り上がるシーンがホントに一瞬だけなのでとにかく物足りない印象。


 モンスターはプレデターもどき』みたいなアーマーっぽい装束の怪人で、ビジュアル的にはなかなかカッコ良いだけに、活躍するシーンが全くないのは残念過ぎです。


 全体的にダラダラしたストーリーに加えて、ラストも何か分かったような分からないようなスッキリしないオチでしたし(儀式をしたら『怪物の姿がずっと見えるようになる』みたいな設定は何か意味があったのか?)、何か全体的にモヤっとした気持ちばかりが残る映画でしたよ。

 


 総評としましては、どうにも『退屈で物足りない内容の低予算モンスターホラー映画』という感じです。


 プロットとかに少し個性的な部分はあるものの、それ以外に見どころとなるような要素も無くて退屈な部分ばかりが目に付く内容なので、あまりオススメできるような要素もありません。


 ネタ映画としても弱いので、特別な理由でも無ければ普通にスルーしてしまって問題のない一本ではないかと思いますよ。