NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「イット・カムズ」(15点/モンスター)

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■■■「イット・カムズ」■■■
(15点/モンスター)

 女子大生のジェスは、友人と街に出かけた際にナンパされた男性たちと共に、クルーザーでパーティをする事となる。

 彼らは、一人の男性の元カノと、たまたま乗り込んでいて整備士を加えた8人で洋上へとクルージングに出る事となるが、海の真ん中で船が故障してしまい立ち往生する事となってしまう。

 無線や携帯も通じない事から、メンバーのうち5人がゴムボートで近くの島に助けを求めに向かい、残りの3人はクルーザーで留守番することとなるが、洋上に残っていた3人は居ない筈の『9人目の乗客』と思しき奇妙な人影を目撃。

 更にその頃、島にたどり着いた5人は、そこで血まみれのまま放棄された奇妙な研究施設のような場所を発見するが…



 クルージングに出て洋上で立ち往生した8人の男女が、居ない筈の『9人目の乗客』の襲撃を受ける…という、モンスターホラー映画。

 なんとなく「イット・フォローズ」を意識したフォロワー作品のようなパッケージとタイトルの付いている本作ですが、実際の中身の方は「イット・フォローズ」とは微塵も関係も類似性も無い作品です。

 というか、今どき珍しいネタである『半魚人』の登場するモンスターホラー映画で、むしろそっちをウリにした方がイロモノ系ホラーが好きな人が興味を持ってくれたんじゃないかという印象。

 ただ、『なんちゃって類似作品』かどうかという以前の問題として、そんな事を気にする余地もないぐらいに肝心の本編の方がツマんない内容なのが困りもの。

 お話としては、『クルージングに出かけて洋上で立ち往生した8人の男女が、正体不明の生物の襲撃を受ける』みたいな話なのですが、そもそも尺が75分程度しかない作品のクセにお話が動き出すまでが微妙に長い。

 一応、序盤から怪物の存在を示唆する伏線とかが描かれていたり、主人公のキャラの掘りさげみたいなのが描かれていたりするのですが、殆どのシーンは単に若者たちがダラダラと過ごすシーンを見せられているだけなので、とにかく退屈です。

 肝心の怪物が登場してからの展開も酷くて、襲撃シーンの殆どはピントのボケてぼんやりとした怪物の姿がチラっと画面に映るとか、パーツ(口とか背びれとか)のアップが見える…とかって程度で、怪物の見せ場が全くないのでとにかく盛り上がりません。

 しかも8人の登場人物のうち2人は、内輪もめでとかで勝手に死んでしまうので、更に怪物の存在感が薄くなっているという困った展開。
 (この殺し合いをする人たちも、3分程度で語られるような『オマケ程度の色恋沙汰がらみの内輪もめ』で殺し合いをする事になるので、唐突過ぎて『なんのこっちゃ?』という感じですし…)

 引っ張りまくってラストでようやく登場した怪物の姿も物凄く安っぽい着ぐるみで、『コレはマトモに画面に映したくなかったのも仕方ないな』と妙に納得するレベル。
 むしろここまでショボいなら、開き直って画面に思いっきり姿を映した方が、別の意味で面白くなったんじゃないかと言う気がしましたよ。(笑)

  オチも唐突なうえに物凄くアッサリしてて、なんか『いつ盛り上がり始めるんだろう』と思って観てたらいきなり終わってしまったような感じで、ぶっちゃけ久々にどこをどう褒めたら良いのか良く分からない感じの作品でしたよ…

 敢えて言うなら、映画そのものの尺が短いので『そこまでダルさと感じる間もなく本編が終わってしまう』ので、あまり退屈を感じずに観れるのは利点と言えるかも?


 総評としましては、どうにも盛り上がる要素の無い『普通にツマらない超低予算モンスターホラー映画』としか言いようが無いような作品です。

 酷い出来のクセに中途半端にシリアスでマジメに撮られてて、ネタとしても盛り上る要素がないため、ネタ映画として観るのも厳しいのが困りもの。

 特に観るべき要素も無いですし、人生の貴重な75分をショボい半魚人のために敢えて無駄にしたいというのでなければ、普通にスルーしてしまっても問題のない作品だと思いますよ。