（３５点／モンスター）
ある嵐の夜に、車掌のジョーは友人の頼みで夜行列車の運行を担当する事となるが、深夜の森の中で列車が何かに衝突して緊急停止するというアクシデントが発生。
原因を確認するために運転手が列車を降りるが、確認に向かった運転手がいつまで経っても戻らない事から、しびれを切らした乗客たちは列車から降りて森の中を隣の駅まで歩く事となる。
しかし、列車から少し離れた場所で獣に引き裂かれたような運転手の死体を発見。
野獣のような声をあげる『人とオオカミのあいの子』のような怪物の襲撃を受けた彼らは、慌てて列車の中まで逃げ戻りバリケードを築いて怪物の侵入を防ごうとするが…
深夜の森の中で緊急停止した列車の乗客に狼人間の群れが襲い掛かるという、モンスターホラー映画。
いわゆる狼人間ものの作品ですが、オーソドックスな『満月の夜に人間が狼男に変身して…』って話ではなくて単純に森の中で立ち往生した人々が『狼のような姿をした人間型の怪物』に襲われるという、閉鎖環境型のモンスター映画って感じの内容ですね。
ストーリー的にも『深夜の森で列車が動かなくなって立ち往生してたら、どこからともなく現れた狼男っぽい怪物の集団に襲撃を受けました』というそれだけのお話で、それ以上に深い設定のようなものは無し…（っていうか、そもそも狼男が何でこんな森の中をウロウロしているのかも良く分かりません。）
まあ設定とかに色々とツッコミどころはありますが、作品のシチュエーションとしてはそこまで悪くも無くてパニック映画としては可も不可も無い印象。
狼男はボディスーツとＣＧによるSFXを上手く組み合わせて作っており、低予算ながら意外と出来は悪く無いです。
モンスターの出番も、序盤はちょっと出し惜しみ感があるものの中盤以降は画面にバンバン登場するので、そこまで不満は感じないんのも良い感じ。
ただ、モンスターのデザインが単なる『獣人』って感じで、オオカミっぽさが殆ど感じられないのは残念なところかなぁ？
お話の方は、ぶっちゃけ殆どストーリーらしいストーリーは無くて、半分以上のシーンが列車の客車の１～２両程度の場所で展開されるため、スケールの小ささとか低予算っぷりが如実に感じられ、どうにもいま一歩盛り上がりません。
特にストーリーの中盤あたりの『単純に怪物の襲撃から立てこもっている』ってだけのシーンが長くて、どうにもダラダラとした場面が多い印象。
怪物のインパクトや個性もイマイチで、モンスターのデザインも含めてそもそも『狼男』である必然性が全く無くて、怪物が別にゾンビでも人食い熊でも特に困らないような設定のため、個性に乏しくて面白味に欠けるんですよね…
あと狼男なのに矢鱈と弱くて、斧を持った程度の一般人にアッサリ撃退されてしまうのも、かなり残念なところです。
全体的に見どころもあんまり無いですし、ラストの展開もオチてるんだかオチてないんだか判然としないような終わり方ですし、何か今ひとつ印象に残らない感じの映画でしたよ…
総評としましては、『低予算でパッとしない印象のＣ級ぐらいのモンスターホラー映画』ってのが正直なところです。
絶望的にツマんないという訳では無いもののコレという見どころみたいなものも殆どありませんし、オススメするには弱すぎる印象の残念な作品って感じでしょうか…
『三度のメシより狼男が大好きでどうしても気になる』というのであれば観るのを止める事もしませんが、そうでなければ普通にスルーしてしまっても問題の無い一本って感じだと思いますよ。
