NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ローンウルフ 真夜中の死闘」(55点/モンスター)

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■■■「ローンウルフ 真夜中の死闘」■■■
(55点/モンスター)

 盲目の退役軍人であるアンブローズは、盲導犬のシャドウと共に森のそばにあるクレセント・ベイという老人専用の居住区域に引っ越してくる事となる。

 しかし引っ越してきた当日の満月の夜。
 隣の家から異常な物音と叫び声を聞き尋常でないものを感じたいた彼は、銃を持って隣の様子を伺いに向かおうとするが、そこに巨大な獣のような生き物が出現。

 不意を突いて襲い掛かられた彼は危ういところを愛犬のシャドウに救われるものの、愛犬と隣人の老女は謎の怪物によって殺害されてしまう。

 警察は事件を野生動物の仕業として処理するが、この区域で老人や愛犬などが立て続けに同じようにして殺害されている事を知った彼は、事件が『狼男』の仕業ではないかと考え、次の満月の夜に向けて戦いの準備をはじめるが…



 盲目の退役軍人の老人が老人居住地区を狙う謎の狼男と対決するという、モンスターホラー映画。

 『盲目の老人』が主人公という部分がなかなか特徴的ですが、設定の特殊さを除けば割と普通の謎解きタイプのモンスター映画って感じの作品ですね。
 ドント・ブリーズ」のヒット以来、妙に老人が主人公のホラーやサスペンスが増えた印象ですが、最近はやはりそういうのが流行ってるのかな?

 お話としては、『とある盲目の老人が老人居住施設に入居直後に狼男に襲われるんだけど、犯人を探し出して次の満月の夜に反撃しようとする』という感じの展開。

 ストーリー的には『狼男探し』の謎解きみたいな要素が中心で、展開にもそこまで大きな捻りも無く特撮とかも低予算な感じでB級モンスターホラーとしてはオーソドックスな内容という感じなのですが…

 作品のテーマとしては、モンスター要素よりもむしろ人間ドラマの部分がメインで、『頑固な性格で妻が死んでからは周りに馴染めず、家族からもうとましがられている一人の老人が、自分の「死に場所」を求めて怪物に戦いを挑む』という感じのプロットで、孤独な老人の悲哀やら主人公のキャラクターやらがシッカリと魅力的に描かれているのは、本作の良いところですね。

 ただキャラクターを主眼にした人間ドラマとしては面白いのですが、モンスターホラーとして観ると凡庸な作品というのが正直なところ。

 怪物が『狼男』だけあって満月の夜にしか出てこないので、1回目の登場の後はラストまで怪物が全く登場しないため、中盤辺りは緊張感も全く無くて正直言ってちょっと退屈。

 人間ドラマとしては観れる内容ではあるものの、謎解きとかも特に捻りが効いた内容でも無い(というか謎解き要素が殆どない)ため、どうにも盛り上がりには欠ける印象です。

 あと、モンスター側のキャラクターも人間としては割とシッカリと描かれているのですが『モンスター』としての魅力は弱い印象だったので、モンスターの魅力の方もシッカリと描いて欲しかったかなぁ?

 モンスターの魅力が薄いせいでラストのアクションシーンもいま一つ盛り上がりに欠ける感じですし、あと主人公が盲目という設定のせいもあって戦いにもいま一つ激しさが無いのは辛いところ。

 というか『主人公が盲目』という設定は本編であまり活かされてるとも思えない感じだったので、正直、『この設定って別に要らなかったんじゃ…』って気がしたのは自分だけですかね?


 総評としましては、地味な内容ながらも『そこそこ観れるレベルのモンスターホラー映画』って感じの作品ですね。

 逆にモンスターホラーとしてよりも、『孤独な老人の戦いを描いた人間ドラマ』として楽しむならば割と普通に楽しめるレベルだと思いますので、そういう部分に魅力を感じるのであれば観ておいても損は無い一本でしょう。

 まあそこまで推す程では無いですが、予告編とかを観て気になっているのであればチェックしておいても良い程度の映画だと思いますよ。