NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ダスク・オブ・ザ・デッド」(65点/モンスター:結構オススメ)

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■■■「ダスク・オブ・ザ・デッド」■■■
(65点/モンスター:結構オススメ)

 アメリカ南部の森の中にキャンプに出かけたセスとポリーの2人は、移動中に車が故障して立ち往生しているデニスとレイシーというカップルと出会う。

 唐突に2人に銃を突きつけられて車を奪われたセス達は、彼らに脅迫されて街へと向かう事となるが、森で動物を轢いてしまった際に車が故障してガソリンスタンドへと立ち寄る事となる。

 しかし立ち寄ったガソリンスタンドのトイレで、レイシーが『全身が奇妙なトゲに覆われてゾンビのようになった人間』を発見。
 その怪物に襲われた彼らは、ガソリンスタンドへと立てこもって怪物の襲撃から逃れようとするが…



 寄生する事で人体を乗っ取る『謎のトゲ状生物』の恐怖を描いた、モンスターパニック映画。

 タイトルが「~オブ・ザ・デッド」となっており、まるでゾンビ映画みたいな扱いを受けてますが、実際には「物体X」タイプの『人体乗っ取りタイプ』の寄生型モンスター映画ですね。

 他の生物の体に寄生する『植物のトゲ』のような生物で、寄生された人間は『全身トゲだらけの生ける屍』みたいな状態になってしまうのでゾンビっぽく無い事もないのですが、流石にコレをゾンビ映画に含めちゃうのは強引すぎるかと…(本編内では『菌類のような寄生生物』と表現されてました。)
 ちなみに原題は、そのものズバリ「SPLINTER(トゲ)」ってタイトルです。

 しかし、全く話題にもなっておらずメジャーでも何でもないタイトルなのですが、本編の方はコレがなかなかの掘り出し物。

 ストーリー的には『深夜のガソリンスタンドに訪れた4人の男女が怪物によって建物に閉じ込められる』というホントにそれだけのお話なんですが、シンプルながらも緊張感の持たせ方や演出の上手さで、内容の薄さを感じさせずに良い感じに乗り切っている印象。

 怪物も一切の出自とかが語られず最後まで正体不明のままなのですが、「遊星からの物体X」みたいに腕とかが切り落とされても別の個体になって襲い掛かってきたり、犠牲者どうしの体が合体して『ブレアモンスター』みたいな一匹の怪物になってみたりと、なかなかに個性的。

 怪物は『全く知能がない生物(植物?)』という設定なのですが、乗っ取った人間の体を本人の意思と関係なく勝手に変な方向に捻じ曲げて骨をへし折ったりとか『単純な生物ゆえの不気味さ』が良く出てて、非常に嫌悪感を感じさせるデザインなのが上手いですね。

 主人公達のキャラ付けも良く出来てて、最初は『何だコイツらは…』と思ってた主人公達が終盤では『なかなか良い連中じゃないか?』と思えるようになってるのも面白いですし、怪物への『対抗手段』の説得力のある内容とかラストの展開の熱さとかも全体的に上手くツボを押さえている感じで、個人的には非常に楽しめました。

 惜しむらくは、特撮にそこまでお金がかけれて無いのをごまかすためか、怪物が最後まで画面にハッキリと映し出されずに『チラ見せ』状態のまま終わってしまうのは残念だったかなぁ?

 あと、登場人物があまりにも少ないため見せ場が多くなく、怪物の襲撃シーンがちょっと物足りなさを感じたのが勿体無い所でした。


 総評としましては、無名なオリジナルもののモンスターホラーとしては、割と『掘り出し物と言って良いレベルの良作』ではないかと思います。

 B級モンスターホラーとかが好きであれば、ほぼ間違いなく楽しめるタイトルだと思いますので、その手の作品に興味があればチェックしておいて損は無い一本だと言えるでしょう。

 ちょっと小ぢんまりしている部分に物足りなさを感じるかもしれませんが、『寄生乗っ取り生物』タイプのホラーが好きであれば、間違いなくオススメの作品ですよ。