NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「貞子DX」(40点/オカルト)

■■■「貞子DX」■■■
(40点/オカルト)


 全国各地で、様々な年齢層の人々が連続して原因不明の『突然死』を遂げるという奇妙な事件が発生。
 世間では『呪いのビデオ』を観た人間が、その24時間後に現れた『白い服の女』の呪いによって殺されているという奇妙なウワサが囁かれていた。


 バラエティ番組等に出演する、IQ200の天才大学生として知られる一条文華は、ある日、テレビ番組で共演した人気霊媒師のKenshinと、巷で話題の『呪いのビデオ』に関して議論となり、『呪いのビデオ』の謎を科学的に証明するために調査して欲しいと言われ、『呪いのビデオ』のコピーを渡される。


 不服に感じながらも『呪いのビデオ』を受け取った彼女だったが、そんな矢先に彼女の妹の双葉が興味本位でビデオを再生してしまったところ、本人にしか姿の見えない『白い服の人』に付け回されるようになるという異様な事態が発生。


 文華はタイムリミットまでに妹を救うために、『呪いのビデオ』の秘密を解き明かすべく、自称占い師の前田王と感電ロイドと名乗る謎の人物と共に調査を開始するが…

 


 『天才少女が家族を救うために呪いのビデオの謎に挑む』という設定の、「貞子」シリーズの最新作にあたるオカルトホラー映画ですね。


 最近は「貞子」シリーズも『伽椰子とバトルしてみたり』とか色々とイロモノ的なノリのものが増えていましたが、そんなイロモノの中でも最早『貞子の要素要らんやろ?』ってぐらいに貞子要素の薄い最新作ですね。


 まあ貞子要素が薄くても面白いホラーに仕上がっていれば問題ないのですが、本作は何と言うか『ネタに走ろうとした結果、色んな方向に滑り散らかしている新作』という印象なんですよね。


 方向性としては『ノリの良い感じのハイテンションホラー』的な方向を目指した、ちょっとコミカルな雰囲気の作品になっているのですが、そういう方向性な事もあってか登場人物が主人公の天才少女をはじめとして、エセ占い師やら、ネット情報通の引きこもりやら、無駄に濃いキャラのオンパレード。


 この面々が『コミカルなやり取りを繰り広げながらお話を展開していく』という感じなのですが、どのキャラも腹が立つだけの妙にウザいキャラばかりで特に魅力がある訳でも無くて、ホラーなのに『寒いコメディ』みたいなのを延々と見せられてる感じで、全体的にイライラさせられてしまいましたよ。


 イライラすると言えば、本作はコミカルなテイストが強めのためホラー的な『怖がらせるような演出』は殆ど無いのですが、逆に各所に無駄にデカい音とかでビックリさせようとするような『意味の無いショッカー演出』が矢鱈と多いのもイライラさせられる一因という印象。


 天才少女による『呪いのビデオの謎解き』も、主人公が『天才的頭脳』を活かしているような要素は殆どなくて、むしろ天才のクセに『裏の取れてない呪いのビデオ対処法』をネットで不用意に拡散したりとか、マヌケな部分ばかりが目に付くのは困りもの。


 ここからはややネタバレになりますが、作中で焦点となる『呪いのビデオ正体』も、単なる「らせん」の『リングウイルス』設定の焼き直しですし、そもそも『リングウイルス』設定自体がファンの間でも賛否ある風潮なので『なんだかなあ…』という印象。


 正直なところ、コミカルなネタ映画にするにせよ新たな方向性を狙うにせよ、『もうちょっとどうにかならなかったのか?』というのが正直な感想ですよ。


 でも、ラストの妙にほのぼのした『貞子大増殖』ネタだけは思わず笑ってしまったので、そこだけは良い部分だったかも?

 


 総評としましては、悪い意味で『なんじゃコリャ』って感じの貞子シリーズの最新作という感じの作品ですね。


 『貞子シリーズを元にしたネタ映画』だと割り切って観る分には、まあまあ観れる内容かもしれませんが、普通にJホラーの新作だと思って観るとガッカリすると思われますので要注意。


 まあでも、今まで『貞子シリーズ』を続けて観ているような人は、割とどんなネタが出てきても驚かないレベルにはなっていると思うので、気になってる人はネタ映画という枠でチェックしておいても良いかもしれませんよ。