■■■「デーモン・ハンターズ」■■■
(50点/アクション)
ネバダ州の人里離れた砂漠の奥地にある一軒のバー「ディーの金食い虫」。
セクシーな美女たちの働くこの場所は、実はデーモンたちの巣窟で店に来た客たちを次々と襲って殺害するという、恐るべき場所だった。
元軍人のGと神父を中心とした、強力な悪魔専門の悪魔狩りチームの一行は、仲間との行き違いから偶然にもこのバーを訪れる事となるが、あまりの強力なデーモンたちのパワーに退散させられる事となる。
彼女たちがただのデーモンではなく、古から存在し罪人のみを裁く『闇の天使』である事を知った彼らは、圧倒的なパワーを持ち人類に仇なす存在である彼女たちに再び戦いを挑む事となるが…
悪魔軍団の潜伏する寂れたバーを発見した悪魔狩りチームの一行が、圧倒的パワーを持つ悪魔たちに戦いを挑む…という、アクションホラー映画。
『砂漠の寂れたバーが実は悪魔の巣窟でした』という、なんとなく「フロム・ダスク・ティル・ドーン」を意識したというか、リスペクトした感じの雰囲気の作品ですね。
実際、ややコメディ色のあるノリの良いアクション映画的なテイストを取り入れていたりと、割と「フロム・ダスク・ティル・ドーン」の影響を受けている部分の感じられる内容です。
ただ映画の中身に関してはストーリーらしいストーリーはあんまり無くて、基本的には『悪魔狩りチームの面々が各々に強力なパワーを持つ古の悪魔と対決していく』みたいな、ホントにそれだけの展開。
主人公たちの面々は、それぞれに『過去のトラウマ』みたいなものを抱えており、悪魔によってトラウマを掘り返されてピンチに陥りつつも逆境を乗り越えていく…みたいな感じてキャラを掘り下げつつバトルを描いていくという、ちょっとマンガ的なノリの作品という感じです。
とまあ、これだけ聞くとそこそこ面白そうな作品のように感じられるのですが、実際の内容に関しては『微妙な出来のアクション映画』というのが正直な印象。
まず世界観やら悪魔たちの設定やらが妙に複雑で、とにかく『説明的なセリフが物凄く多い』のが気になるところ。
序盤の30分ぐらいに悪魔たちや主人公たちのキャラの説明を無理矢理に詰め込んでいるせいで、どうにもゴチャゴチャしすぎです。(『黙示録の四騎士』とか『死の天使』の話がたいした説明もなく出てくるので、オカルトに詳しくない人には分かりづらそう…)
本編のメインの部分である悪魔によって暴かれる『主人公たちの過去のトラウマ』に関しても、各キャラの設定が妙に小出しで語られるせいで観ていてどうにもテンポが悪いです。
またアクション映画的なテイストの強い作品の割には、アクションシーンがショボ目でどうにも盛り上がりに欠けるのは残念なところ。
作品がマンガ的なノリなんだから、そこもマンガ的にもっと派手なバトルを繰り広げて欲しかったところです。(まあ、その辺は予算の都合もあるんでしょうけど…)
各メンバーのトラウマの克服やら、オチに関しても妙にスッキリしない内容ですし、とにかく物足りなさばかりの残る印象でしたが、悪魔役のお姉ちゃんたちが妙にフェティッシュでセクシーな恰好をしており、その部分に関してのみは割と楽しめる内容だったと言えるかも?(笑)
総評としましては、『どうにも物足りない内容のアクションホラー映画』というのが正直なところ。
設定やらプロットやら描きたい方向性は分かるのですが、いま一つ設定を昇華しきれていないというか活かしきれていない感じがする作品でしたよ。
まあ物足りないながらも『それなりに観れる程度のレベル』にはまとまっているので、気になるようであればサブスクリプション系のサービスで観れるようになったタイミングにでも、片手間程度にチェックしてみても良い感じの一本かもしれませんよ。