NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

劇場にて「貞子vs伽椰子」を観てまいりました。

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 大学生の有里は、ある日、友人の夏美から過去に母親が撮ったホームビデオをDVDにコピーして欲しいと頼まれた事から中古のビデオデッキを購入したところ、友人の夏美がビデオデッキにセットされていた都市伝説の『呪いのビデオ』らしき映像を見てしまう。

 2日前に同じ映像を見たバイト店員が亡くなったと聞いた彼女たちは、このビデオが、見た人間が2日後に命を落とすという『呪いのビデオ』であると確信。
 夏美の命を救うために、こういった都市伝説に詳しい民俗学者の森繁教授に助けを求める事となる。

 同じ頃、父親の都合で郊外の街に引っ越してきた女子高生の鈴花は、引っ越し先の向かいにある空家が『足を踏み入れたもの全員が命を落とす』とウワサされている『呪いの家』である事を学校の友人から聞かされるが、ある日、その家の前に集まっていた4人の小学生が行方不明になった事を知り…

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<注意>
 今回の感想は、割とネタバレ的な要素にも触れていますので、これから映画を見ようと考えていてネタバレが嫌な人は読まないようにご注意ください。


<以下、ネタバレ改行>
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<以下、ネタバレ改行>
<以下、ネタバレ改行>
<以下、ネタバレ改行>


 劇場にて「貞子vs伽椰子」を観てまいりました。

 Jホラーでお馴染みの『2大悪霊』が激突するお祭り企画ということで期待して観に行ったのですが…

 結論から言ってしまうと、悪くは無いんだけどどうにも『物足りなかった』ってのが正直なところかなぁ?

 まず本作の良い点から挙げていくとすると、一番の良い点は『とにかく展開が早くてテンポが良い』という事。

 貞子も伽椰子も知っている人が前提とはいえ、なにせ映画2本分の『呪い』を描かないとならないので、とにかくお話の展開が早いです。

 呪いに触れた人間が尺を引っ張る余裕も無いレベルでバンバン死んでいきますし、それでいて怖がらせるシーンも割とちゃんとホラーしているので、ある意味で痛快でダレるような暇すら無いのは良い感じ。

 また脚本のプロットがなかなか良くできているのも、本作の良い点だと言えるでしょう。

 『ビデオを見た人間を絶対殺すマン』の貞子と『家に入った人間を絶対殺すマン』の伽椰子がどういう経緯で対決する事になるのか…

 『まさか伽椰子に呪いのビデオを見せるのか?』とかって想像していたのですが、両方の呪いにかかった人間を『獲物』として奪い合って対決するという設定は、これはなるほどと納得しましたよ。
 (途中で『呪いの成就をジャマする奴は絶対殺す』という伏線を張って、2人が対決する動機に説得力を持たせてるのも上手い。)

 他にも、お祭り映画らしく悪霊2人だけでなく主人公の周辺も含めてJホラーとしては異例な程に濃いキャラが登場しているのも良い感じで、貞子に会いたさのあまりに呪いのビデオを見てしまう大学教授とか、ガテン系の霊能者と幼女の霊能コンビとか、メインの貞子側のヒロインも度胸ありすぎの矢鱈と男前な性格だったりと、とにかく殆どのキャラが良い味を出しています。
 (欲を言えば大学教授はもっと活躍して欲しかったけど…)


 といった具合に、Jホラーとしては良い点や誉めるべき要素もそこそこあるのですが…
 それ以上に残念な点も多いのがなんとも惜しいところ。

 まず何が一番残念かって、ネタ的に『お祭り映画』的な要素を期待していた割には、意外とハッチャけ度合いが低いという事。

 本作は公式サイトやらオマケ映像やらインスタグラムやらのネタが非常に秀逸なので、本編もそれに負けないぐらいのハッチャけっぷりを期待していたのですが…

■「貞子vs伽椰子」
http://sadakovskayako.jp/
■「貞子vs伽椰子 総選恐」
http://sadakaya-sousenkyo.jp/
■「伽椰子と俊雄のほのぼの親子日記」
https://www.instagram.com/kayakowithtoshio/?hl=ja

 ぶっちゃけ、公式サイト等のハジけっぷりに比べると、本編はマジメすぎてちょっと物足りませんでしたよ。
 (むしろ公式サイトが面白すぎて無駄にハードルが上がっていたという話も…)

 というか単純なハジけ具合なら、『巨大貞子』や『ミュータント貞子』が登場した「貞子3D」とかの方がバカ度が高くてインパクトがあったので、せっかくのお祭り企画なんだし、もっとお馬鹿なノリがあっても良かったんじゃないかなぁ?

 あと、もう一つの不満点としては、貞子と伽椰子の対決シーンが非常に短いという事ですね。

 フレディvsジェイソン程のガチバトルまでは期待していなかったものの、もっとガッツリと戦ってくれるのかと思っていたのですが、直接対決するシーンが意外と短くてハッキリ言って物足りないんですよ…

 つか、せめて前哨戦と最終決戦の2回ぐらいは対決してくれると思っていたのに、バトルがラストのちょっとのみってのは流石にタイトル負けしちゃってるレベルなので、もうちょっとどうにかして欲しかったところ…

 ラストの強烈な投げっぱなしっぷりもツッコミどころで人によっては不満要素になるかもしれませんが、個人的にはここまでいさぎよい投げっぱなしなら『笑えるからまあアリかな?』って感じではありました。


 総評としましては、そこそこ楽しめる要素はあったものの『期待してた割には物足りなさの残る作品』ってのが正直なところです。

 個人的に、もっと『お祭り映画』的なノリの内容を期待していたので、私のようにそういう要素に期待しすぎると肩透かしを食らわされちゃうかも?

 まあ不満点もあるものの、総じて出来は悪くないですし『ネタ映画』としては十分にアリだとは思いますので、両作のファンで気になっているならばチェックしておいても良い作品だとは思いますよ。
 (ただし『本格的なJホラー』だった頃のファンで、ホラー的な要素に期待して観に行くのは止めた方が良いと思いますけど…(笑))