■■■「THE 4TH KIND フォース・カインド」■■■
(55点/サスペンス)
就寝中に何者かに夫を殺害された心理学者のタイラー博士は、未解決の事件に不安を感じながらも、夫の意思を継ぐ為に彼の続けていた研究を引き継ぐこととなる。
その研究とは、同じ心理学者であった夫がアラスカ州のノームという小さな町で起こる、正体不明の集団での睡眠障害の原因を探ると言うものだった。
彼女は、今まで夫の受け持っていた患者のカウンセリングに当たるようになるが、患者達が一様に『深夜にフクロウの姿を見た』という奇妙な共通点のある証言を残している事に気付く。
彼女はこの証言に何らかの秘密があると考え、詳しい状況を探る為に患者に逆行催眠を施して原因を究明しようとするが、催眠治療を施した患者がその日の夜に『謎の言葉』を残して妻子を殺して自殺してしまい…
2000年にアラスカ州で実際に起こった事件をベースとした、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演のドキュメンタリータッチのサスペンス映画。
いわゆる、最近の流行りの『実話をベースとした…』ってタイプのサスペンス映画ですね。
いや、私は本作は全く事前情報なしで劇場まで観に行ったのですが、てっきりサイコスリラーやオカルト系のお話だと思っていたのですが、予想とベクトルの全く異なるお話でちょっとビックリしてしまいましたよ。
まあ、『面白かったか?』と聞かれると『予想とは別の意味で面白かった』と答える訳ですが、他人にオススメ出来る映画かと言われると…
『いや、それはちょっと…(笑)』
と答えてしまうような映画ですね。
アクマで『予想の斜め上っぷりが面白かった。』って感じの作品です。
ネタバレなしで本作を語るのはちょっと難しいですが、まずはネタバレなしで簡単に感想を書いてみますと…
序盤の『謎の提示部分』は非常にスリリングで、実際の心理学者がカウンセリング中に撮影したという『記録映像』とか、主人公のモデルとなった心理学者へのインタビュー映像など、リアルな映像を織り交ぜて見せる導入パートはなかなか面白いです。
この、映画の映像に実際の映像を挟んでリアリティを持たせるという演出は『実話をベースとした作品』の表現としても説得力があって、なかなか面白い試みではないかと思います。
ただ、中盤ぐらいまでの展開は物凄くリアリティや緊迫感があって面白いのですが、終盤になると『オイオイ、そんな展開かよ!?』って感じの展開になってしまい、『面白さのベクトル』が完全に違ってしまうのは困り者ですな。
いや、コレはCMだけみて純粋に『怖い映画』を期待して観に行った人は、どんな顔をしてラストを観れば良いんだ?って感じですよ。
もはや、怖かったかと聞かれると『いや、面白かったよ!!』と答えたくなるような映画ですので…
っていう訳で、普通に『怖い映画』を期待して本作を観に行こうとしている人は、要注意ですが…ネタ映画として観に行こうとしているなら、大いに『観る価値アリ』な内容です。
という訳で、以下はネタバレを含む感想になります。
コレから観に行こうと考えてる人は読まない方が良いですが、ネタバレしても気にしないという方は、文字を反転させて読んでください。
(ネタバレ部分を読む場合は、右クリックから「すべて選択」を選択して下さい。)
*************以下ネタバレ開始*************
ぶっちゃけて言ってしまうと…
『ドキュメンタリー風のサイコスリラーかと思ってたら、木曜スペシャルの「UFO特番」だったでゴザル!!』
って感じのお話です。
いわゆる、矢追純一とかでお馴染みの『UFOアブタクションもの』でした。
序盤の『逆行催眠を行った患者が突然暴れだす記録映像』とかが物凄くリアリティがあって『いったい、どんな展開になるんだ!?』と思いきや、中盤から『宇宙人の声』が記録映像に紛れ込んでたりして『いやいや、ソレは流石に無いだろ!!(笑)』と突っ込むしか無いような破天荒なノリに…
しかも、超常現象やUFOが画面に映ってると思しき(おぼしき)シーンになると、何故か『機材が不調になって画像が乱れる』というお約束付き。
終盤の展開は余りにもベタベタな『UFO特番』的なノリすぎて、終始ニヤニヤしっぱなしでしたよ。
いや、子供の頃に木曜スペシャルとかの『UFO特番』を観て育った世代には、別の意味で最高に楽しめました。
CMの大げさな煽り(あおり)っぷりと本編のギャップとの『ガッカリ感』も近年稀にみるレベルで、コレはネタとして『ガッカリ映画』を求めてる人には、かなり良い題材になるんじゃないですかね?
*************以下ネタバレ開始*************
といった感じで、上記の通りマジメに観るにはあまりに『アレな内容』なので他人にオススメはしないですが…
あなたがB級映画好きならば、色んな意味で『観ておく価値がある一本』だと思いますので、『微妙な気分になれる映画』とか『B級イロモノ映画』が大好きな人には強くオススメしておきたい作品ではありますよ。(笑)