そんなある日、彼は集合アパートの自分の家の隣の部屋に父親に連れられた一人の少女が引っ越してくるのを目撃する。
彼女が何故か『雪のなかでも靴を履いていない』という奇妙な行動を取っている事に気づいた彼は、彼女の『秘密』に興味を抱き話をするようになるが、その頃を境に彼らの周りで猟奇的な殺人事件が連続で発生しはじめるようになり…
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という訳で、劇場にて「モールス」を観てまいりました。
てっきり普通にサイコサスペンス系の映画かと思ってたのですが、いやいや全然『普通の映画』じゃなかったです!!
何といいますか、あまり詳しく書くとネタバレになってしまうのですが、色々な意味で予想の斜め方向に突き進むような作品でした。
序盤の『謎の提示』と導入パートの出来が素晴らしく、ややパラノイア的な性格で近所の住民の様子を望遠鏡で覗き見する主人公、雪の中を裸足で歩く謎の少女、猟奇殺人を犯す謎の殺人鬼…といった不可思議な事象と、常に薄暗く全体的にダークな空気の漂う演出が非常に良いテイストを出しており、序盤の雰囲気はかなり良い感じ。
しかし、中盤で少女の持つ『秘密』が明かされてからの展開は『えっ、そんな話なの?』って感じの予想の斜め上を行くようなお話になるのですが、斜め上に突入しながらも相変わらずの『全く先の読めない展開』で最後の最後まで、結末が予想できない構成の上手さ。
加えて、そんな展開でありながら殆どの伏線をキチンと回収するという『お話の組み立ての上手さ』は、ちょっと感心させられましたよ。
ボーイ・ミーツ・ガール的なほのかな恋愛要素や、ラストのキレイなんだけど怖さを感じさせるオチの付け方も、個人的にはかなり好みな感じです。
ただ『個人的には凄く楽しめた作品』ではあるものの、先述のとおり『斜め方向に突き進む』ような展開のお陰で、『人によって評価が割れそうな作品』だってのも事実ですねぇ。
あそこまで奇天烈ではないですが、『ナイトシャマラン監督の映画』とかが好きな人であれば雰囲気も含めて非常にハマる事の出来る作品かも?
まあ、少なくとも万人にオススメ出来るような映画ではないですが、独特の雰囲気を持つ一風変わったサスペンス映画とかが観てみたいという人にはオススメ出来る一本だと思いますよ。
本作をホラー作家であるS・キングが絶賛していたという話ですが、確かにキングとかは好きそうな話だと思うので、妙に納得でした。
そういうタイプの人が好きそうなノリにピンと着たなら、なかなか楽しめる作品だと思いますよ。
そういうタイプの人が好きそうなノリにピンと着たなら、なかなか楽しめる作品だと思いますよ。