■■■「ドント・ブリーズ2」■■■
(60点/サスペンス)
郊外に住む盲目の退役軍人の老人は、8年前に強盗に押し入られた際に彼らを惨殺して撃退するも強盗の被害者として無罪となり、その後、火事で記憶と身寄りを亡くした少女にフェニックスと名付け、自分の娘として育てていた。
しかし、そんな老人の家を謎の武装集団が襲撃。
武装集団の目的が少女をさらう事だと気づいた彼は、得意とする暗闇の中で賊たちと交戦するも、家に火をつけて燃やされたうえに少女を拉致されてしまう。
果たして少女を狙う武装集団の目的と、記憶喪失の少女に隠された秘密とはいったい何なのか…
実は元特殊部隊の『殺人マシーン』である盲目の老人と、老人宅を襲撃した謎の武装集団の戦いを描いた、サスペンススリラー映画。
『強盗に入った家の主が、実は盲目でサイコパスの殺人マシーンでした』という前作の続編にあたる盲目最強ジジイシリーズの第2弾に当たる作品です。
前作では狂気の殺人マシーンだった老人ですが、本作では身寄りのない少女を保護して人間が丸くなり、むしろ娘を狙われる善人的な立ち位置として描かれているようです。
まあ、前作で狂気に走っていたのも『死んだ娘を取り戻すため』みたいなのが目的だったので、身寄りのない娘を保護している現状では人間が丸くなるのも当然と言えば当然かも?
といっても、娘とか身内以外には相変わらずの殺人マシーンっぷりで、武装集団を相手に容赦のない戦いを展開してくれます。
お話としては『盲目の老人が「身寄りと記憶の無い少女」とともに郊外の一軒家で暮らしてるんだけど、そんな老人の家を謎の武装集団が少女を拉致しようと襲撃。少女を守るために老人は徹底抗戦を行うが…』という感じのストーリー。
『記憶の無い少女』を狙う武装集団と少女に隠された秘密とは…といった部分が中心にお話が進んでいくといった感じの展開ですね。
今回も盲目の老人は『ジジイで盲目のクセに強すぎだろ!!』って感じのパワフルっぷりで、特に終盤は座頭市のような大暴れっぷりで楽しませてくれます。
謎の武装集団と少女に隠された秘密もまあまあ納得のいく感じの設定で、『盲目の殺人マシーンの老人のキャラが良く立っていて人気が出たので主役に起用したかった』という理由で作られた、ややご都合主義的ストーリーといった印象を受ける部分もありますが、前作で殺人マシーンだった老人を主役に据える事にそこまで無理のない設定になっているのは、なかなか上手い作りだと思いました。
ただ、どうしても前作と比較してしまうのですが、前作に比べると『地下室で音を出すことも出来ない』というヒリヒリとした緊張感のような物はなくなっており、サスペンスやらサイコスリラー的な怖さは殆ど感じられない内容。
というか、作中の殆どの尺が『武装集団と老人との戦い』に割かれてしまっており、アクション映画の要素が圧倒的に強くなってしまっているんですよね。
まあ、前作とはまるっきり別物の『新作のアクション映画』として楽しむ分には問題ないのですが、前作の個性的な設定やら緊張感が好きだった人には物足りなく感じてしまう内容かも?
拉致される主人公の娘が割と『賢くてシッカリとしたキャラ』なのであまりイライラさせられる要素もないですし、盲目の老人と少女の関係性を上手くまとめたオチの落としどころもなかなか良い感じですので完全新作の続編としては悪くない内容なのですが、前作への思い入れ度や期待する内容によっては評価の割れるところかもしれません。
総評としましては、『普通に楽しめるレベルのアクション寄りのサスペンス映画』という感じの作品ですね。
前作の『盲目の老人』のキャラが好きで、老人の大暴れっぷりを観たいというのであればなかなか楽しめる内容だと思いますので、そういう方面に期待してるのであれば、オススメできる一本と言えるでしょう。
逆に前作のような緊張感全開のサスペンス映画を期待してるのであれば、ちょっと物足りなさを感じる続編かもしれませんので、その辺は要注意と言えるかも?