■■■「レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース」■■■
(40点/ファンタジー)
北フィンランドの国境付近のコルヴァントゥントゥリ山で、大企業であるサブゼロ社が山中深くに封印された『サンタクロースの墓』を発見。
その価値を目当てに発掘を開始する。
そんな頃、国境付近の町に住む少年・ピエタリは古い書物で『初代のサンタクロースは子供を攫う恐るべき殺人鬼だった』という驚くべき事実を知る。
やがてクリスマスが近づくに従って町の周辺で奇妙な事件が起こるようになり、ピエタリはその事件こそが『掘り出されたサンタクロース』によって引き起こされたものではないかと疑いを抱くようになるが…
『サンタクロースの墓』を発見した大企業が墓からサンタを掘り出すけど、元祖のサンタクロースは実は恐るべき存在だった…という設定のダークファンタジー映画。
何かTSUTAYAの独占レンタルの映画って微妙というか『変なノリ』の作品が多いのですが、本作もご他聞に漏れず何とも言えないクセのある作品ですね。
本作は予告を見た時に、もっと「サタンクロース」みたいなブッ飛んだホラー系の作品なのかと思ってたのですが、どっちかというとホラーじゃなくてダークファナンタジー系の作品かな?
ホラー風味があるのでジョー・ダンテの「グレムリン」とかとノリが近い気もするけど、あそこまでホラーでもないしコメディもしてない感じ…
『サンタクロースの正体が実は…』という設定は悪くないんですが、お話そのものは何というかちょっと冗長。
ストーリーが盛り上がるまでの展開がちょっとダラダラとし過ぎで、コメディという訳でも無いのでどうにもダルいです。
サンタが『子供たちを攫う(さらう)』という設定の割には、主人公以外の子供が完全に空気扱いで存在感が全く無いので、お話にあまり緊張感が無いのも辛いところ。
独特の雰囲気やら世界観やら良い部分もあるのですが全体的にソレを活かしきれていない感じなのがなぁ。
『みんながサンタと思っているものの正体』とか『元祖サンタクロース』の設定はなかなか面白かったと思うのですが、終盤とか殆ど盛り上がりが無いまま事件が解決してしまうのは流石にいかがなものかと…(出来れば封印から開放されたサンタの大暴れが見てみたかった…)
あと、オチのアレはハッキリ言って蛇足じゃないかなぁ?
何か物凄く俗物的な展開になってしまっているので、普通に事件解決で終わらせてしまった方が良かった気がするのですが…
総評としましては、設定やアイデアは面白いと思うのですが全体で見ると『ちょっと冗長で盛り上がりに欠ける作品』ってのが正直なところ。
悪くは無い部分もあるのですが、アイデアを活かしきれてないというか『出オチ』感の拭えない感じの映画でしたねぇ。
まあ、そろそろクリスマスですしネタ映画として観てみるならアリだと思いますが、