NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ヴァーサス・ゾンビ 時空を越えた生ける屍」(45点/モンスター)

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■■■「ヴァーサス・ゾンビ 時空を越えた生ける屍」■■■
(45点/モンスター)

 ギリシャの首都であるアテネが、唐突に地下から噴出した『邪悪な力』によって人々が次々とゾンビと化するという怪現象に見舞われてから3日後。
 ゾンビの猛攻撃をなんとか生き延びた4人のメンバーは、安全な場所を求めて逃亡生活を続けていた。

 他の生き残った人々と合流し負傷者の治療を行う彼らだったが、そんな彼らの前に数日前に死亡した筈のアルギリスが姿を現す。

 死んだはずなのに蘇りゾンビに噛まれてもゾンビ化しないアルギリスに驚きを隠せない彼らだったが、そんな彼の前に黒衣をまとった謎の男が出現。

 黒衣の男は、アルギリスこそ『2500年前に冥界の門が割れて死者たちが地上に溢れ出した時にギリシャを救った英雄の生まれ変わり』だと告げるが…



 ゾンビの大群によって汚染されたギリシャで生き残ったわずかな人々がゾンビを倒すために戦うという、モンスターパニック映画。

 ギリシャ製のゾンビ映画という事で『どこかで見た事があるような話だな…』と思いつつ見てみたのですが、この映画って2008年に発売されてウチのブログでも感想を書いたギリシャ・ゾンビ」の続編に当たる作品なんですな。

■「ギリシャ・ゾンビ」
http://blogs.yahoo.co.jp/uei_nanigashi/59075256.html

 監督も一緒でストーリーも前作のラストから思いっきり繋がっているので、完全に『正当な続編』に当たるお話ですね。

 といっても、前作自体が殆ど『ストーリーらしいストーリーの存在しない話』だったので、前作を観て無くても特に困るような内容では無いですが…
 (というか前作の『スタジアムいっぱいにゾンビが押し寄せてくる』という絶望的なラストを、主人公達が普通に乗り切ってて笑いました。どんだけゾンビ無双状態なんだよ…)

 映画の中身の方は、相変わらずゴア描写テンコ盛りの血みどろゾンビ映画で、『残虐シーンを描きたいが為にゾンビ映画を撮っている』という感じの、ある意味で分かりやすい内容の作品ですな。

 前作と同様に、特撮は思いっきりチープで『80年代の描写が過激なだけのスプラッタホラー』のノリを彷彿(ほうふつ)とさせますが、監督の『俺はこういう映画が撮りたいんだよ!!』と言わんばかりの無駄に熱い情熱は伝わってきます。(笑)
 (まあ、予算や特撮のレベルや映像の見せ方に関しては、全体的に前作よりも少しマシになった印象ですしね。)

 ゾンビとひたすら戦うだけだった前作に対して、本作では『仲間の一人が実は2500年前から転生した英雄だった』みたいな超設定が登場し、前作ではうやむやになっていたギリシャにゾンビが出現した理由』みたいな物も描かれます。

 ただこの超設定を説明するために、映画の随所で『2500年前のエピソード』が少しずつ語られたりする訳ですが、何かお陰で『ただでさえグテグテで分かりづらい話がますます分かりづらくなっている印象』なのは、ちょっと困り者ですね。
 全体的にテンポも悪くなってしまっているので、後付け設定を描くにしても『もうちょっと見せ方を工夫した方が良かったんじゃないかなぁ…』とも思います。

 また『伝説の英雄』の設定もそこまで活かされている訳でも無いので、せっかくそんな超設定を取り入れているなら、もっと『伝説の英雄が超パワーを利用してゾンビをバッタバッタとなぎ倒す』ような爽快なシーンを見せて欲しかったですよ。

 あと、現在のギリシャの情勢を反映してか『反政府活動として無差別に人間を襲うゲリラ』みたいな連中も登場するのですが、このゲリラたちがストーリーの流れに全く関係ないような存在なので『コイツらを出す必要があったのか?』ってのも、ちょっと疑問かも…

 まあゾンビ映画でお約束の『パニックで無法状態になった時に本当に恐ろしいのはゾンビよりも人間である』というネタをやりたかったのかもしれませんが、この映画のゾンビはそれでなくてもメチャクチャ強力なのでゲリラの影が薄くてあんまり意味が無かった気がします。

 ラストのオチは超設定にふさわしいような超展開ですが、もともと細かいストーリーを気にするような映画でも無いので、まあこういう強引なオチもアリじゃないかと…


 総評としましては、前作と同様に相変わらず『良い意味でも悪い意味でも中身の無い作品』って感じですかね。

 『過激な残虐描写をハイテンションで見るためだけの映画』って感じですので、そういうノリのゾンビ映画が好きであれば、そこそこ楽しめる作品なんじゃないかと思います。
 逆にストーリーとかは恐ろしいほど空っぽな印象なので、そういうドラマ部分を求めていると『なんじゃコリャ』って感じになってしまうと思いますが…

 『無駄にグロい映画』が好きな人とか『お馬鹿で内容の無いゾンビ映画』が好きな人であれば、稀少な『ギリシャゾンビ映画』という事もありますし『話のネタ』としてでもチェックしておいて損は無いレベルって感じですかね?

 あと、とりあえず前作を楽しめた人であれば本作もそこそこ楽しめるとは思いますので、続編として気になっているのであれば観ておいても良いんじゃないでしょうか…
 (個人的には前作より全体的にテンポが悪くなった部分は、やや不満でしたが…)