NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ナチス・イン・センター・オブ・ジ・アース」(35点/アクション)

イメージ 1

■■■「ナチス・イン・センター・オブ・ジ・アース」■■■
(35点/アクション)

 南極のクィーン・モード・ランドの永久凍土を掘削調査を行っていた2人の調査員が行方不明になるという事故が発生する。

 南極基地の監視官で生物学者でもあるレイスタッド博士は、調査員を探す為に捜索隊とともに掘削現場に向かうが、現場で『何者かが引きずられたような跡』を発見。

 原因を突き止めるために後を追った彼らは、その先で遥か地底へと続く巨大な洞窟へと到着する。

 彼らは、仲間を救うために謎の洞窟へと侵入する事となるが、その場所で彼らが見たものは、巨大な地底の空洞世界『アガルタ』と『ナチスの軍服を着た謎の集団』の姿だった…



 南極の地底奥深くにある空洞世界に逃げ延びていたナチスが、ヒットラーを復活させて世界制覇を目論むという、SF風味のアクション映画。

 色々とツッコミたい部分はありますが、まず『「ナチス・イン・センター・オブ・ジ・アース」なんて言うふざけたタイトルの作品がある訳ないだろ適当な邦題付けてるなぁ…』と思いつつ鑑賞しはじめたところ、原題も「NAZIS AT THE CENTER OF THE EARTH」で冒頭からちょっとビビったのですが、パクり映画で定評のあるASYLUMの作品だと知って妙に納得。

 お話の方は、まさに『流行りに乗っかって「センター・オブ・ジ・アース」と「アイアンスカイ」の設定をパクってくっ付けてみました』と言う感じのお話ですが、ここまであからさまに狙ってパクリをやってくれると逆に清々(すがすが)しさすら感じますな。(笑)

 ストーリーも『地底世界に逃げ延びたナチスが、こっそり秘密基地を作ってヒットラーをサイボーグ化して復活させてました』といったそのまんまな内容で、設定だけ聞くと物凄く奇想天外で面白そうに感じるのですが、ここまでのトンデモ設定を準備しておきながらお話の方は物凄く微妙なのも『いつものASYLUMクオリティ』という感じ…

 何が微妙って、こんな楽しそうな冒険活劇風のお話なのに殆ど爽快感が無いというところ。

 特に序盤から中盤にかけての爽快感の無さが顕著で、ナチスの科学者が捕虜にした人間の皮を剥いだり、脳みそを引きずり出したりするようなエグいシーンばかりが連続して描かれて、『お前らはホラーを描きたいのか、それとも冒険活劇を描きたいのか?』とツッコミを入れたくなる始末。

 いやまあ、映画の主題として『ナチスの異常性や残酷さ』を描きたいのなら分からなくは無いのですが、どう考えても映画のタイトルやイメージから受ける方向性と違いすぎじゃ無いですかね…

 まあ、エグイシーンがあったとしてもお話として面白いんなら良いんですが、お話の方もコレまた微妙なのが困りもの。

 さしたる伏線も無く急展開する場当たり的なストーリーに加えて、緊迫感の無いアクションシーンとメリハリに欠けるスペクタクルシーン。

 終盤のナチスの巨大UFO』(モロに「アイアンスカイ」のパクりっぽいの)が出現したり、ヒットラーがサイボーグ化(といっても70年代風のロボットの頭がヒットラーにすげ代わっているだけ)して復活したりする展開は少し面白いのですが、ラストも殆ど山場も無くUFOが撃墜されたりと盛り上がりが無さすぎます。

 ホントにどうしてここまで面白そうな素材を詰め込んでて、こんなに微妙な作品に出来るのかと逆に不思議になるレベルですよ。
 以前から思ってたんだけど、ここの制作会社はパクリの着眼点は悪くないので『もっとマトモな脚本』さえ書ければ面白くなる作品も多いと思うんですけどねぇ…

 あと基本的に低予算映画なのですが、映像が全体的にショボくてナチスの基地が『秘密基地』というより『どこかの廃倉庫』にしか見えなかったりするのは、まあご愛嬌といった感じなのですが…
 何千人も居るように描写されているナチスの兵士が『常に4人ぐらいしか画面に登場しない』のは、流石に手を抜きすぎでしょ。
 『復活したヒットラーの演説シーン』で4人しか兵士が居ないのはいくらなんでも不自然すぎるので、流石にそこは『もうちょっと頑張ってモブの俳優を集めるぐらいしろよ…』とツッコミを入れたくなったのは自分だけですかね?
 (「巨大UFO」のCGは割とクオリティが高くてお金がかかってそうなので、そこで資金が尽きてしまったのかも…)


 総評としましては、普通に微妙としか言いようが無いような感じの『一発ネタ的なアクション映画』といった感じの作品です。

 「アイアンスカイ」みたいなブラックなコメディ的要素や「センター・オブ・ジ・アース」のような冒険活劇的なノリを期待してると『どちらにも不満が残るレベル』なので、二番煎じと理解してても辛いものがあるような映画ですね…

 まあ、トンデモ系パクリ映画と考えれば『バカ成分』や『ツッコミどころ』は十分に多い内容ですし、ネタ映画と割り切って観る分にはそこそこ楽しめるかもしれませんので、そういう用途で観ようと考えてるならばチェックしてみても良いんじゃないでしょうか?
 (ネタ映画としても『笑いどころ』があんまり存在しないのが難点ではありますけど…)