■■■「グレイヴ・エンカウンターズ2」■■■
(60点/オカルト)
映画学校の学生でホラー映画マニアのアレックスは、課題制作の映画撮影に頭を悩ませていたある日、『死の番人』と名乗る人物から「グレイヴ・エンカウンターズ」の主人公らしき人物が、病院のような場所に閉じ込められた映像が写ったビデオと、謎の地図の座標を受け取る。
メールの正体を突き止めるために地図の座標を調べてみたところ、その住所はまさに架空の筈の「グレイヴ・エンカウンターズ」のモデルになった廃墟となった精神病院のある場所だった。
彼は差出人の真意を探るために、映画「グレイヴ・エンカウンターズ」に関わった人間に取材を行うが、調査を進めるうちにあの映画は作り物ではなく『現実に起こった事件の映像』をフィクションと偽って公開したものだと確信するようになる。
映画に隠された真実を伝えるために、彼は友人たちと共に映画の舞台となった廃病院へと侵入して、その証拠を撮影しようとするが…
「グレイヴ・エンカウンターズ」の映画が真実だったと知った一人の若者が真実を探るために廃精神病院へと侵入し驚くべき恐怖に遭遇するという、オカルトホラー映画。
低予算ながら『怖すぎる予告編映像』が話題になり、大ヒットとなった「グレイヴ・エンカウンターズ」の続編に当たる作品ですね。
アルバトロス配給だからといって『なんちゃって続編』という訳では無くて一応キチンとした続編のようで、ストーリー的にも1作目から完全に繋がったお話になっています。
(って、配給は前作からアルバトロスでしたけどね…)
ぶっちゃけ、前作はモキュメンタリーもののブームとイキオイだけでヒットしたような部分があった作品ですので、「ブレアウィッチ・プロジェクト」や「パラノーマル・アクティビティ」みたいな『誰得続編』になってるんじゃないかと思って全く期待してなかったのですが…
なかなかどうして思った以上にシッカリと作られてて、意外と普通に面白い続編になっています。
お話の流れとしては『映画マニアの学生が謎のメールを受け取った事により、前作の映画に隠された真実に近づいていく』みたいな展開なのですが、最初に主人公に『謎解き』と称して『前作のおさらい』をさせつつ続編のストーリーを進行させていくという構成は、なかなか上手いです。
『前作の内容は実はフィクションじゃなくて真実だった』というハッタリの効かせ方も良い感じで、逆にその設定のお陰でフィクション全開なノリになっているものの、これぐらい大げさなハッタリが効いてる方が続編としては面白くて良い感じ。
ただ、まあ『「グレイヴ・エンカウンターズ」は真実だった!!』と気付いたクセに、敢えてあの現場に撮影に行く学生たちは『いくらなんでも命知らず過ぎだろ…』とツッコミを入れたくなったのは自分だけですかね?(笑)
(いやアレが現実に起こった事件なら、どう考えても現場に行くのはヤバすぎでしょ…)
お話の展開は、中盤ぐらいまでは前作のグレードアップ版みたいなノリで進んでいく感じですが、前作では出てこなかった『小児病棟』みたいなロケーションが登場したり、『巨大なグールみたいな怪物』に追い掛け回されたりと悪霊が攻撃的で派手になっており、単純に観てて楽しくなっています。
そして単純な焼き直し続編かと思いきや、終盤以降に予想外の方向にお話が進んでいって、全く先の読めない展開に突入していくのも面白いですね。
ただ、1作目でボヤかされていた謎の部分が全て解き明かされてしまうのと、その謎解きの内容がちょっと大げさすぎて『逆にチープな感じ』になってしまっているのは、賛否両論あるところかも?
個人的には、あそこまで徹底してバカバカしいノリにしてくれたのは『逆にアリかな?』と感じましたけどね…
ラストのオチもブラックユーモアが効いてる感じで、なかなか良かったです。
総評としましては、「グレイヴ・エンカウンターズ」の続編としては『普通に面白いオカルトサスペンス映画』って感じの作品ですね。
ただ、もはや『モキュメンタリー映画』としては無理がありすぎる存在と化してしまっているので、そういう『リアリティのある怖さ』みたいなノリを期待して観ると、ちょっと肩透かしを食らうかも?
どっちかって言うと、前作からあった『コレがドキュメンタリーとか、んなアホな!?』ってノリの『お馬鹿映画』的な側面が強力にパワーアップした作品ですので、そういうノリが好きな人ならオススメできる一本だと思います。
まあ普通にオカルトホラーとして観てもそこそこ面白いですので、そっち方面で気になる人もチェックしてみても良いかもしれません。