NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ブレア・ウィッチ」(45点/オカルト)

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■■■「ブレア・ウィッチ」■■■
(45点/オカルト)

 『ブレアの魔女』を調査するためにブラックヒルズの森へと入って行方不明となったヘザーの弟のジェイムズは、それから20年後のある日、YouTubeにアップされた映像に自分の姉らしき人物が写り込んでいるのを発見する。

 映像をアップした人物から、映像が森の中で拾ったビデオテープに映っていたものであると聞いた彼は、もしかして姉がまだ生きているのでは無いかと考え、テープの発見者の案内で友人たちと共にテープに映っていた『謎の家』を探して森の中を捜索する事となる。

 しかし捜索を開始したその夜に森の奥から不気味な物音を聞き、翌朝に自分たちのキャンプの周りに不気味な木の人形が吊り下げられているのを発見した彼らは、得体のしれない恐怖に駆られて森から脱出しようとするが…



 ブラックヒルズの森に『ブレアの魔女』の調査に向かったヘザーが行方不明になってから20年後、姉の消息を求めて弟が再びブラックヒルズの森の捜索を行う事となる…という、モキュメンタリー形式のオカルトホラー映画。

 ストーリー的にはPOV形式のホラー映画のブームの火付け役となったブレア・ウィッチ・プロジェクト」の正式な続編に当たる作品ですね。

 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の続編としては「ブレア・ウィッチ2」なんてのもありましたが、本作はそっちの方とは特に関係のない感じの構成。
 ぶっちゃけアレは全く面白くなかったので、無かった事にしていただいても全く困らないと思います。

 お話としては『前作の主人公の弟がYouTubeで偶然発見した映像に写り込んでいた女性が自分の姉ではないかと考え、姉の消息を探るためにブラックヒルズの森に再びカメラを持って侵入する』という感じのお話。

 ただこれが『前作の数年後』という設定ならまだ分かるのですが、主人公が20年も前の物心もつかない頃に失踪した自分の姉を探すことに執着する理由も良く分かりませんし、ビデオに映った男女の判別も困難なレベルの不鮮明な映像を何で姉だと思ったのかも不明。

 そもそも、弟くんは20年間も森の中で行方不明になってた姉に再開してどうするつもりだったのかも良く分かりませんし、色々と設定に無理がありすぎです。

 これなら『姉の行方不明になった原因とブレアの魔女の秘密を探るために興味本位で調査に行く』って設定の方がまだ説得力があった気がします。

 とまあ設定へのツッコミはさておき、内容に関しては『正当な続編』と言いながらも、ぶっちゃけ『1作目の焼き直し』っぽい印象の強い作品ですね。

 お話の流れとしても、若者たちが調査のために森にカメラを持って探索に向かうんだけど、不気味な現象に遭遇して逃げ帰ろうとしたところ何故か森から脱出できなくなり…みたいなお馴染みの展開で、プロットとしては殆ど前作と同じような感じ。

 相変わらず夜の森の不気味さとか、得体の知れない存在の怖さはなかなか良く出ており、怪奇現象に遭遇した主人公たちの焦りとかがリアルに感じられるのは良い感じ。

 また、続編らしく怪奇現象が前作に比べるとちょっと派手になっているのですが、基本はハンディカメラや小型カメラの映像なので何が映っているのか判然としなくて、あまり派手になった効果が得られていないのは残念なところ。

 主人公たちの装備が『体に装着する小型主観カメラ』とか『カメラ搭載のドローン』とか最新機材になっているのは現代っぽくて良いのですが、結局は謎の力によって役に立たないのであまり意味はありません。(笑)
 (この辺は『ネットへの映像を中継する』みたいなギミックはあっても良かった気がします。)

 ただ相変わらず主観カメラの映像が中心の構成のため、中盤以降の森の中を走り回るシーンでは何が起こってるのかサッパリ分からないのは困りもの。

 まあ「ブレア・ウィッチ」らしい表現といえばそうなんですけど、最近はPOVでも映像が観やすくなるように工夫されている作品が多いので、本作でもそういう工夫はあっても良かったんじゃないかなぁ…

 またラストの例の『謎の家』に到着してからの展開は、なかなかスピード感もあり怖くて良い感じ(特に地下通路みたいな場所のシーンは割と怖かった)なのですが、そこに到着するまでの展開が前作と似たり寄ったりな感じでちょっとダレてしまうのは残念なところなので、何かもうひと捻り欲しかったです。(一応、ちょっとした『仕掛け』みたいなものはあるのですが…)

 ラストが特に何の解決もせずに投げっぱなしなのは、まあこの手の映画のお約束なので仕方ない感じかなぁ…


 総評としましては、ある意味で『「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の続編らしい続編という感じのモキュメンタリー風オカルトホラー映画』ですね。

 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が好きであれば、それなりに楽しめる内容ではあると思いますが、ちょっと前作の焼き直しっぽい印象が強いので、物足りなさを感じる作品ってのも正直なところでしょう。
 (ともあれ「ブレア・ウィッチ2」よりは全然出来が良いです。)

 シリーズとして気になるようであれば観ておいても損は無いとは思いますが、そこまで強くオススメ出来るほどでもない内容なので、急がないならNetflixとかHulu辺りのネット配信とかを待つなりお好みでといった感じかな?