NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「コンジアム」(60点/オカルト)

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■■■「コンジアム」■■■
(60点/オカルト)

 患者の集団自殺と院長の失踪によって閉鎖されて今は廃墟と化しているという、いわく付きの心霊スポットである「コンジアム精神病院」。

 YouTubeで恐怖動画を配信する、韓国の人気チャンネルである「ホラータイムズ」は、一般からの参加者を募ってこの場所への潜入を生配信することとなる。

 企画の主催者であるハジュンは男女7人でチームを編成し、いくつもの小型カメラやドローン、電磁検出器といった機材を持ち込んで、この精神病院にある数々の心霊スポットを巡り、最終的に開けようとすると呪われるという『402号室の呪い』に挑むという探索ルートを想定。

 参加者たちを驚かせるための『仕込みに』よる演出の効果もあって、彼らの配信は順調に閲覧数を伸ばしていくが、やがて彼らの『仕込み』には無いような異常事態が次々と発生していき…
 

 いわく付きの心霊スポットである廃病院に侵入して生配信を敢行しようとしたYouTuberたちが、その場所で恐るべき現象に見舞われるという、韓国製の心霊スポット探索ものオカルトホラー映画。

 いわゆる心霊スポットと化した廃墟を探索してその映像を配信するという、『心霊スポット探索もの』のモキュメンタリー作品で、割と話題になっていた作品なのに『レンタルで見かけないな』と思いきや、なんでも『ゲオ先行リリース』だったようで、現時点では他のレンタルショップでは扱っておらずネット配信のみで観れる状態のようです。(そんな訳で、今回はネット配信で鑑賞。)

 お話としては、『動画配信者たちが心霊スポットと化した廃病院に侵入して配信を開始したところ、その場所で想定を超えた恐るべき怪奇現象に遭遇する』という、ひとことで言ってしまえば韓国版「グレイヴ・エンカウンターズ」みたいなお話ですね。

 ネタ自体は既に出尽くした感のある設定というせいもあってちょっと月並みな感じはあるのですが、全体的に非常にシッカリと作られており楽しめる内容になっているという、お手本的な『心霊スポット探索もの』の作品という印象。

 序盤の導入部分とかダラダラした展開も短めで、要所要所で見せ場がやってくるので、『お化け屋敷のライド』にでも乗っているような感覚で非常にテンポ良く楽しめるのは良くできています。

 廃墟と化した精神病院の不気味な雰囲気や映像も素晴らしく、単純に廃墟探検ものとして観るだけでもなかなか迫力があるのも良い感じです。
 (まあ、主人公たちの喋りがちょっとウザくて、雰囲気がちょっと削がれている感があるのは残念ですが…)

 ヤラセ的なノリでダラダラした序盤からはじまり、ガチの心霊現象に巻き込まれていく中盤以降という感じで、徐々に恐怖感を盛り上げる構成もなかなか上手いです。

 また、手持ちカメラや主観型のカメラの映像がメインなのですが、POV系の作品の割には映像もキレいで手ブレとかも少ないので、観ていて気持ち悪くなるような部分が殆ど無いのも良い感じですね。

 終盤は予想以上にパワフルな展開で、『こんなの実際に遭遇したら頭おかしくなるわ』みたいな感じのノリでなかなか怖いですが、ラストの展開は何が言いたいのか釈然とせずにちょっとグテグテ感があったので、もうちょっとシッカリと謎解き的なものをして欲しかったかも?(『402号室の呪いって結局なんやねん』って感じのだったので…)

 あと、7人の配信者のキャラクターは『ウザい系YouTuber』という紋切的な要素以外は没個性的で、いま一つキャラクターが印象に残らなかったので、もうちょっと各キャラに個性があった方が良かったかなぁ?
 (ヒロインっぽい人とか何か特別なバックボーンでもあるのかと思ってたら、特に何もなくてちょっと肩透かしでした…)
 

 総評としましては、なかなか良く出来た『心霊スポット探索型のオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。

 ネタとしてやや今更感があったり若干の不満点もあるものの、全体的にイキオイがありテンポも良くまとまった内容なので、その手のジャンルが好きであればなかなか楽しめる映画ではないでしょうか?

 予告とかで気になっているのであれば、普通にチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。