（３０点／モンスター）
名門校であるリンカーン高校で、オタク青年であるエディはある日の放課後に６人の落ちこぼれの生徒達と共に居残りをさせられる事になる。
しかし、教師が補習を始めようとした瞬間に、参加していたメンバーのうちの『変な男に噛まれた』とこぼしていた一人が唐突にゾンビ化し、教師に噛み付いて重傷を負わせてしまう。
慌てて教室の外へと助けを呼びに飛び出した彼らだったが、既に校内にはゾンビの大群があふれかえっており、安全な場所を求めて逃げ惑う彼らは普段から人が居らず出入口の少ない図書室へと立てこもる事となる。
助けを呼ぼうにも何故か携帯の電波も通じずゾンビがあふれかえっているせいで学校からも脱出も出来ない彼らは、図書室の中で途方に暮れてしまうが…
とある名門高校で居残り補習に集められた６人の落ちこぼれの問題児達が、ゾンビの大群に襲われて生き残るために協力し合うという、サバイバル系のモンスターホラー映画。
まあ一言で言ってしまえば、『高校にゾンビが出現して生き残ったわずかな生徒は脱出できなくなりました』というそれだけのお話ですね。
なんかどこかのマンガかアニメで見たような設定ですが、タイトルを「～～・オブ・デッド」にしなかったのは、やはりその辺に考慮しての事なのかな？（笑）
映画の内容は、ホントに上記のとおりで『何か良く分からないけどゾンビが出てきました』というような感じで、マトモなストーリーらしいストーリーは存在しないような感じですね。
ゾンビの出現理由とか前振りみたいなのは一切なくて、何の理由もなく唐突に学校にゾンビが出現するといった展開で、最初の５分ぐらいから学校がいきなりゾンビだらけになるので、ある意味で導入のテンポは非常に良いです。
細かい導入をガン無視しての序盤のテンポの良さと、オタクだったり不良だったりマッチョマンだったりジャンキーだったりする一癖も二癖もありそうな『６人の落ちこぼれ生徒』も良い味を出してるので、導入部だけみると『意外と面白そうかも？』と思うのですが…
面白そうなのは『導入部』だけで、それ以降の展開がどうにもいただけない感じ。
何がいただけないって、序盤でゾンビに追いかけられた主人公たちが図書室に立てこもるのですが、それ以降がビックリするぐらい話が進まない事。
図書室に立てこもった後が、特にゾンビと戦う訳でも無く対策を立てる訳でも無くひたすらダラダラしているだけでお話が全く前に進まずに、ダラけるだけでは飽き足らずにマリファナを吸いながら青春トークを始めちゃったりするという、なんともグダグダな展開。
まあ青春トークをしてキャラクターを掘り下げるのは良いのですが、ゾンビそっちのけでダラダラとしてるシーンがここまで長いと流石にダレまくりです。
主人公のオタク青年も『勇気を出して男を見せる』みたいな展開かと思いきや、かなり終盤までヘタレで優柔不断なままで物凄くイライラさせられるし、そんなヘタレのクセに妙にモテるみたいな理不尽な展開なので全く感情移入出来ませんし…
ラストは少しだけ盛り上がるのですが、ぶっちゃけ最初の20分ぐらいとラストの10分ぐらいしか見どころが無いのが辛すぎかなぁ？
オチも矢鱈と唐突で、ゾンビの出現理由も判らなければ最後まで何の謎も解き明かされないという物凄い投げっぱなしな終わり方ですし…
（まあ『中途半端な態度は良くない』という感じのオチは、ちょっと溜飲が下がる感じで良かったですけどね。）
とにかく主人公たちがゾンビと絡むシーンが少なさ過ぎなのが問題だと思うので、せめて中盤なりにもうちょっとマトモな見せ場があれば、そこそこ面白い映画になったと思うんですけどねぇ…
『型にはまった生き方をしている学生なんてゾンビと変わらない』というテーマ性やら、『分かりやすいゾンビ映画のオマージュ』なんかは悪くなかったですし、『生首状態のゾンビ教師』とか良い味を出しているキャラも居なくは無かったので、ちょっと勿体なさを感じてしまう作品でしたよ
総評としましては、設定やキャラは面白いんだけど肝心の内容の方がついて来れていないという感じの『何とも微妙な印象のゾンビ映画』でした。
タイトルや予告からして、もっとハチャメチャでハイテンションな感じの内容を期待してたのですが、中途半端なコメディと青春映画っぽいノリだけでどうにも盛り上がらない作品でしたよ。
まあ、ゾンビ大好きで『学園ソンビもの』というジャンルがが気になるのであれば、特に観るのを止める事はしませんが、個人的には『無理してチェックするほどの内容じゃないかなぁ？』ってのが正直なところでしたよ…
