NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「恐怖!フライング・モンキーの襲撃」(55点/モンスター)

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■■■「恐怖!フライング・モンキーの襲撃」■■■
(55点/モンスター)

 カンザス州の片田舎の町に住む目指す女子高生のジョーンは、高校の卒業式に仕事の都合で出席できなかった父が、お詫びの印にと彼女のために買ってきた一匹の珍しいサルをプレゼントされる。

 獣医を目指す彼女はプレゼントを喜び、サルに『スキッピー』と名前をつけて可愛がるようになる。

 しかし、その翌日に彼女の友人であるジェイソンとチェイシティが、猛獣に襲われたかのようなむごたらしい姿の死体となって発見され、更に町外れの牧場で豚や番犬が同じように殺されると言うという事件が発生。

 そんなある夜、ジョーンはスキッピーが『翼を生やした怪物』に変身して、窓から飛び出していくのを目撃し…



 夜になると怪物に変身するという『悪魔の猿』を飼ってしまった少女の味わう恐怖を描いた、モンスターパニック映画。

 なんというかタイトルもパッケージもエラくブッ飛んだ感じの作品ですが…

 今回は本作をTSUTAYAの動画配信で偶然にも発見したので鑑賞したのですが、こんなインパクトのある作品ならレンタル屋とかで見かけたら速攻で気付くと思うものの、全くノーチェックだったので何でだろうと思いきや、何か最近は劇場をスルーしてビデオ化する『ビデオストレート』ならぬビデオ化すらスルーする『動画配信ストレート』という作品が少しだけ存在するようですね。

 どんだけニッチ需要を当て込んでいるのかと…

 まあそれはさておき本編に関してですが、タイトルや設定のブッ飛び具合の割には中身の方は意外とオーソドックスなのモンスターホラー映画という感じですね。

 『昼間は可愛いサルなのに夜になると怪物に変身する』という設定は、なんとなく「グレムリン」を意識してるような印象を受けますが、特に『守らないとならない約束』とかは無いのでオマージュって程でも無いのかな?

 ちなみに、この怪物は昼間は可愛いキツネザルみたいな姿なのですが、夜になるとロード・オブ・ザ・リング」のゴラムに羽が生えたような怪物になるのですが…
 『いやいや、可愛い子ザルだったのがオッサンみたいな姿になるのは流石に変わりすぎだろ、どんな生き物だよ!?』と思いきや、本作の設定では何でも古代に魔術で作られた『魔法生物』という事のようで、『まあそれならアリかも?』と言うべきなのか『いやいや、その設定は無理がありすぎだろ?』とツッコミと入れるべきなのか悩ましいところ。

 お話としては、『主人公のお父さんが怪しげなペットショップで買ってきたサルの正体が実は…』みたいなただそれだけの内容で、ぶっちゃけ深いストーリーのような物はまったくありません。
 というか、この設定から普通はありそうに思える『親子の絆』みたいなのを深く描くような演出すらも無し…

 どちらかというと、モンスターの出番に尺が多く割かれている感じで、モンスターの出身地である中国が舞台になって『モンスターハンター』みたいなお姉ちゃんが登場してモンスターの出自を語ったり、アクマで『モンスターが主体の映画』といった印象。

 モンスターはCGで作られてて特撮の出来自体はそこそこな印象だし出番も割と多めなのは良い感じなのですが、CGだけあって『人間との絡み』が少な目で襲撃シーンに今ひとつ迫力が無いのは残念なところ。

 またモンスターがあんまり強くなくて銃で撃たれただけでスグに死んじゃったりするんですが、モンスターハンターの一族が持っている『魔法の武器』で倒さない限りは『死んだ後に2匹に増えて復活する』という無茶振りな設定は、手が付けられない感じでなかなか面白いですね。
 終盤で何十匹もに増えた怪物が空を覆いつくすのは、なかなかに壮観です。

 ただ、モンスターの出番が多くてテンポも良好なので観てて退屈しないのは良いのですが、低予算ゆえにか『コレは!』というような山場が無くて、全体的にちょっとアッサリ風味なのは残念なところ。

 ラストも、もうちょっと盛り上がる展開があっても良かったかなぁ?
 (せっかく『怪物が主人公にだけ懐いている』という設定を持たせたんだから、もうちょっと『ちょっと良い話』風にまとめるとか…)

 あと、怪物が『夜にだけ変身して凶暴化する』って事を知ってるくせに、わざわざヤバい夜間に怪物を退治しに行こうとするモンスターハンターのお姉ちゃんは、真性のマゾか何かなんですかね?


 総評としましては、佳作と呼べる程ではないものの『低予算の割には普通に観れるレベルのモンスターホラー映画』といった感じの作品ですね。

 TV映画らしく地味で物足りない部分も多いですが、敢えて『動画配信のみ』に絞るほどのキワモノとか微妙な映画という印象も受けなかったので、なんで敢えてそんな販売の仕方なんだろう?

 とりあえず、このB級テイスト溢れるパッケージやタイトルが気になっているのであれば『それなりに楽しめる感じの映画』ではありますので、プッシュする程では無いものの物凄く気になるようならばチェックしておいても良いレベルの一本ではないでしょうか?