■■■「80デイズ」■■■
(70点/冒険活劇)
19世紀末のロンドン。
変わり者として知られる発明家のフォッグ氏は、科学アカデミーの席で『80日間で世界を一周できる』と大見得を切った事から、アカデミーの会長であるケルヴィン卿と実際に80日間で世界を一周出来るかの賭けをする事となる。
フォッグは、たまたま賭けをした当日に雇い入れた助手である、ラウ・シンと一緒に旅を始める事となるが、ラウ・シンはイングランド銀行を襲い翡翠の仏像を盗み出して、故郷である中国へと仏像を持ち帰ろうとしている逃亡者だったのだ。
かくして、フォッグ氏一行と彼らを妨害しようとするケルヴィン卿の手先、仏像を狙う悪の中国女帝の追跡劇も交えて、80日間で世界を一周するという無謀な挑戦の旅が始まるのだった。
冒険小説が好きな人なら間違いなくご存知でしょう、ジュール・ヴェルヌの傑作冒険小説である「80日間世界一周」を現代風にアレンジした映画化作品。
パッケージを観ると、ジャッキー・チェンが『如何にも主役』といった風に書かれているので、イギリスの貴族が主役の筈なのに何でだ?とか思っていたら、主人公の助手という設定で成る程と納得。
日本では公開当時もあんまり話題になりませんでしたが、なかなかエンターテイメント性に溢れた面白い映画で、割と地味な内容(ホントはアクション要素とはは無い)である原作を上手い具合にアレンジ(翡翠の仏像のエピソードとかは完全な創作)して、ありロマンスありの冒険活劇に仕上げた快作です。
ジャッキーの他に、シュワちゃんやサモハン・キンポーなんかもゲスト出演したりと俳優陣も無駄に豪華。
原作を知ってる人は、このサービス精神に溢れた内容を原作と見比べるだけでも、かなり楽しめると思います。
個人的には、十虎(テン・タイガー)の伝説のカンフー軍団とか出てきた時には、思わず『やりすぎだろう!!』って感じで大ウケしました。
総評としましては、冒険活劇作品としては文句無しの高品質タイトルです。
日本での話題性は乏しかった映画ですが、超大作とまではいかないまでも『ごく普通に痛快な冒険活劇が楽しみたい』という人は、観ておいて損は無いと思います。
意外と見落とされがちなタイトルですが、家族向けで楽しめるような娯楽作品を見たいという人には、一見の価値のある一本だと言えるでしょう。