■■■「マシンガール DEAD OR ALIVE」■■■
(35点/アクション)
近未来のアメリカ。
ガールズバンドであるエマ、エイミー、ジル、キャッシーらの4人は地方でのライブ公演の帰り道で、に絡んできた何者かによって事故を起こしてしまい、車が立ち往生してしまう。
警察を名乗る人物に案内された建物でガスによって昏倒させられた彼女たちは、目を覚ますと自分の片腕が奇妙な武器に改造されている事を知り混乱するが、更にはスクラップ場に設けられたコロシアムのような場所で強制的に死闘に参加させられる事が判明。
その場所は実は『謎のカルト集団』によって支配された場所で、誘拐されてきた者たちが、囚人や荒くれ者たちと『儀式』のためにデスマッチを繰り広げさせられるという恐るべき死の闘技場で、彼女たちはその『闘士』として選ばれてしまったのだった…
アメリカの片田舎で謎のカルト集団によって捕らえられた女性たちが、身体を武器に改造されて強制的にデスマッチに参加させられる…という、バイオレンスアクション映画。
なんか井口昇監督の「片腕マシンガール」を髣髴(ほうふつ)とさせるようなタイトルでビジュアル的にも似たイメージを受ける作品ですが、当然ながら「片腕マシンガール」とは何の関係も無い作品です。
お話としては『頭のおかしいカルト集団に誘拐されたガールズバンドのメンバーが、片腕を武器に改造されて「儀式」と称したデスマッチに参加させられる』みたいな感じの展開。
『片腕を武器に改造』といっても、『腕を切り落として代わりに斧やら刀やらハンマーやらを取り付けてるだけ』という恐ろしく雑な改造で、見た目も『コブラのサイコガン』というか『星雲仮面マシンマンの怪人』(よけい分かりにくい)みたいな感じで、腕に得物を取り付けただけという雑な改造。
低予算映画ですので当然ながら特撮に別にCGとかは使われておらず、『腕に作り物のカバーと剣とかを被せてるだけ』という自主製作映画レベルの特撮なので、映画としてはB級というかD級ぐらいのレベルで低予算まるだし感が辛いです。
まあ『女性の片手が武器になっている』という設定はビジュアル的なインパクトを狙ったデザインなのでしょうが、本当に『腕に剣やハンマーを引っ付けただけ』で筋力の強化とかは行われていないので、改造してる意味が無さすぎなのはいかがな物かと?(笑)
またビジュアル的な奇抜さは強いのですが、肝心のお話の中身の方はあんまり弾けきれていないのは困りもの。
アクションシーンも『不自然に腕に得物を取り付けたお姉ちゃんが動きづらそうに暴れてるだけ』で、バトルアクションとしてもあんまり見ごたえが無いですし、お姉ちゃんたちも戦う相手の敵役も、そこまで面白いキャラやインパクトのあるような個性的なキャラが居なくて、いま一つ盛り上がりません。
また、地下闘技場を舞台にしている割には『闘技場で戦うシーン』がそこまで多くなく、『闘技場の主催者の権力争い』やら『姉妹間のゴタゴタ』(さらわれたバンドのメンバーに主人公の妹がいる)といった、ダルい感じのシーンに尺が多く割かれており全体的にテンポが悪いのも困りもの。
主人公たちを拉致した『謎のカルト集団』が、一応『狂信的な信者を集める謎の集団』みたいな設定なのですが、作中であんまり勢力や権力を持っているように見えず『単なる田舎者の集まり』みたいな雰囲気で凄みが全く感じられないせいで、お話に説得力が薄いのも難点かなぁ?
一応、残虐描写とかは強めで『派手に見せようと努力している部分』は感じ取れるのですが、ビジュアルのインパクトを考えると、『もうちょっとキャラクター的にも演出的にも弾けた派手な内容だったらなぁ…』と感じさせられる部分の多い作品でしたよ。
総評としましては、『地味で盛り上がりに欠けるD級ぐらいの低予算アクション映画』って感じの作品ですね。
パッケージのビジュアルはバカっぽくて面白そうなのですが、実際の中身の方はそこまで弾けた内容でも無いので、「片腕マシンガール」みたいな弾けたノリを期待してると肩透かしを食らってしまうかも?
ぶっちゃけ特に推すべき要素もありませんので、よほど『片腕マシン美女(笑)』の活躍が気になるので無ければスルーしてしまって良い作品だと思いますよ。