■■■「ワイルドサヴェージ」■■■
(50点/生物パニック)
北米のタルガ郡の小さな町を囲む森の中で多数の失踪事件が発生する。
捜査に乗り出した地元の保安官のグレイディは、森の中で失踪者をバラバラの遺体で発見。
検屍の専門家の意見によると、死体は恐らく巨大な動物…おそらく「ベンガルトラ」によって食い殺されたものでは無いかと推測される。
彼は即座にメディアを通じて近隣の住民に警告を発するが、芸能週間誌がトラに『10,000ドルの賞金』をかけた事から一攫千金を狙った賞金稼ぎやらが集まり、かえって事態の収拾が困難になってしまう事に…
やがて雑誌記者の1人がトラに襲われた事から、事態を深刻にみた州より州兵が派遣され本格的な『トラ狩り』が開始される事となるが…
『地上最強のハンター』として恐れられるベンガルトラの恐怖を描いた、生物パニックホラー映画。
パッケージを見ると、巨大なトラがパトカーを踏み潰している姿が描かれていますが、「アルバトロス映画」のお約束ながら、本編にはそんな巨大なトラは登場しません。
パッケージだけやたらと派手という、お約束のアルバトロスクオリティですね。
本編では本物の『調教されたベンガルトラ』が撮影に使われており、リアル故にそこそこ迫力はあるのですが、TVの画面で観てもトラのデカさが伝わり難いので『デカいネコがジャレついている』ようにも見えて妙に可愛く見えてしまうのは困り者ですね。
その辺は、もうちょっと見せ方に工夫が欲しかったかも?
ちなみに邦題が「~~サヴェージ」となっており、同社が販売する「ブルーサヴェージ」シリーズのシリーズものみたいな扱いになっていますが、当然ながら実際には本編の内容には何の関係もありません。
ちなみに原題は「MANEATER」。
ストーリーの方は密輸業者のトラックから逃げ出した人食いトラが人間を襲うという、何ともオーソドックスな設定のお話ですが、まああまり凝ったストーリーにして話に入り込み難くされるよりは良いでしょう。
登場する人物の人間関係やらストーリーやらが割としっかりと作られており、物語もテンポよく進むため途中でダレるような事もなく、オーソドックス故に安定して見れる作品といった感じですね。
途中から登場する『トラ狩りの達人』のキャラクターも悪く無い印象。
ただ、確かにストーリーの方はそこそこ面白いのですが、死体はいっぱい出てくる割に『トラの襲撃シーン』が殆ど画面に出てこないのは不満点かな?
本物のトラを使っている都合上、人間との絡みとかは撮り難かったんでしょうが、その辺はアニマトロニクスとかCGを使うなりして、なんとかして欲しかった。
まあ、予算の都合もあったんでしょうが…
ラストの対決もあまりにあっけなさ過ぎたので、何か『もうひと工夫』が欲しかったかなぁ?
総評としましては、ぶっちゃけて言ってしまえば『可も不可も無い』ようなレベルの生物パニック映画ですが、どちらかというと『可』寄りの『安定して楽しめる作品』といった感じですね。
特筆すべき点も無いものの、普通に『生物パニック映画』が好きな人ならば十分に楽しめるレベルは満たしていると思うので、その手のジャンルが好きな人ならばとりあえず見ておいても損は無いと思います。
『王道的な生物パニック映画』が好きな人なら是非…といった感じでしょうか?