NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ダーク・インフェルノ」(35点/スラッシャー)

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■■■「ダーク・インフェルノ」■■■
(35点/スラッシャー)

 ルーマニアの刑務所から出所したギャングのニッキーは、5年ぶりに自宅に帰ったところ、娘のイライザが母親の金を盗んで男と駆け落ちした事を知らさせる。

 旧友のジミーと共に娘と男の滞在先に押し入った彼らは、2人を強引に拉致して連れ戻そうとするが、深夜の暗い林道を走行中に何かに衝突して事故を起こしてしまい、車ごと崖下に転落してしまう。

 なんとか一命はとりとめたものの酷い怪我を負った彼らは、ひとまず夜が明けるまで過ごすために近くで発見した廃ホテルへと侵入するが、その場所は恐るべき食人殺人鬼たちの棲みかと化していたのだった…



 深夜の森で車で事故を起こした4人の男女が夜が明けるまで過ごそうと入り込んだ廃ホテルで食人鬼の集団に襲われる…という、スラッシャーホラー映画。

 『森の中の廃墟に潜伏する食人殺人鬼の集団』というと、設定からしてなんとなく「クライモリ」を想起させるような感じのお話ですが、実際の内容の方も「クライモリ」をリスペクトしたような作品ですね。

 登場する食人鬼の集団も、特に説明は無いもののなんとなくミュータントっぽい姿をしており、ぶっちゃけ「クライモリ」の最新作だと言われれば信じてしまうようなレベルです。

 まあそれはさておいて、映画として観ると廃ホテルの雰囲気やら不気味な食人鬼集団のキャラは悪くないのですが、全体的にテンポがあまり良くなくてとにかく見せ場に乏しいのが辛いところ。

 類似作の「クライモリ」ほどテンポが良くて小気味良い作りでもなければ、食人鬼のキャラにもイマイチ魅力が感じられない印象で、加えて何が辛いって、とにかく本編が全編に渡って『矢鱈と画面が暗くてひたすら見辛い』という事。

 殆どのシーンが『真っ暗のホテルで光源は懐中電灯1本のみ』みたいな状況で描かれるので、ホントに画面が暗すぎて終始なにが起こっているのか判然としません。

 シーンによってはマジで訳が分からないぐらいに真っ暗になってしまい面白いとか面白く無いとか以前のレベルなので、暗い部屋で観てたら間違いなく途中で寝てしまう自信があります。

 演出的な意図があって画面を暗くしたのでしょうけど、流石にコレは限度を超えてる感じなので、なんでこんな『寝るのを我慢するための精神的修行』みたいな画面演出にしてしまったのか謎としか言いようがありませんよ…

 食人鬼集団に関しても、単に『主人公たちをイキオイ良く追いかけてくる』以外にたいした事はしませんし、ぶっちゃけ個性が薄くていま一つ印象に残りません。
 また肝心の襲撃シーンにしても、残虐描写とかは殆ど無くて『殺害される場面はイメージ映像』みたいな状態で、見せ場となるようなシーンが全くないのも困りもの。

 主人公たちのキャラクターも基本的に全員がアウトローのクズ野郎って感じで、あまり感情移入もできない感じですし、全体的にどうにも盛り上がりに欠けます。

 ぶっちゃけて言うと、全ての要素が『劣化版クライモリ』みたいな感じで、これなら「クライモリ」を見直した方が良いようなレベルなので、敢えて本作を観るべき理由がほぼ見つからないのが辛いですよ…

 まあ、配給会社が「クライモリ」のシリーズ作品っぽい邦題を付けなかったのは、せめてもの良心という感じで評価できるかなぁ?


 総評としましては、これと言った見どころが見当たらない『微妙としか言いようが無いようなスラッシャーホラー映画』って感じの作品ですね。

 そこまで壊滅的に酷い出来という訳でも無いのですが、正直言って「クライモリ」に影響を受けすぎているのが丸わかりなうえに、超えるような部分や個性が出せている部分が全く見当たらないのが厳しいですね。

 「クライモリ」みたいなノリの新作を求めているなら…と言いたいところですが、敢えて本作を薦める要素が薄いような出来なので普通にスルーしてしまっても問題の無い一本という感じかなぁ?