NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アオラレ」(60点/サスペンス)

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■■■「アオラレ」■■■
(60点/サスペンス)


 不景気や情勢の不安から人々のストレスが増加し、煽り運転危険運転が問題となりつつあるアメリカ。


 美容師のレイチェルは、息子を学校へと送ろうと車で家を出るが大渋滞に巻き込まれて仕事にも遅刻し、大切な贔屓の顧客も失ってしまう。


 彼女は事態に狼狽しつつも渋滞を逃れるために下道に入るが、そんな矢先に信号待ちで青になっても発信しないトラックに遭遇。
 イラついた余り、前の車をクラクションを鳴らしながら乱暴に追い抜いてしまう。


 しかし更なる渋滞で追い抜いた男に追いつかれた彼女は、男から『運転マナーがなっていない』と指摘されて口論になりつつもいったんその場を離れるが、給油のために立ち寄ったガソリンスタンドで男のトラックが彼女を追跡して来ている事に気づき…

 


 ある女性が車に追い抜きをかけたところ、乗っていた男が思いがけずにストーカーの殺人鬼で執拗に追跡されて命を狙われる事になる…という、サスペンススリラー映画。


 「アオラレ」ってタイトルを聞くと、なんか「アオハル」的な青春映画っぽいものを連想してしまいますが、こちらの方は青春要素とかは一切ない『煽り運転』を題材としたスリラー映画となっています。


 お話としては『とある女性が信号待ちの車に無理な追い抜きを仕掛けたところ、車に乗っていた男が実は狂気の殺人鬼で執拗に付きまとわれて命を狙われることになっていく』みたいな感じの展開。


 日本でも、最近は煽り運転』による事故とかが各所で問題になっていますが、こんな映画が作られる辺りからして、同じような問題は日本以外でも取り上げられているという感じでしょうか?(まあプロットとしては、スピルバーグの「激突!」なんかも同じテーマなので、割と使い古されたネタではあるのですが…)


 しかし「アオラレ」というタイトルを聞いて、煽り運転のみを題材にして90分も尺がもつんだろうか?』と思いつつ鑑賞したのですが…


 実際の中身の方は煽り運転ネタ』は2割程度で、『主人公がスマホを殺人鬼に奪われて、自分や周囲の人間が殺人鬼から狙われるのを防ぐために奔走する』みたいなのがメインのストーリーとなっており、どちらかというと『殺人ストーカーものスリラー映画』っぽいノリの作品という感じです。


 事件の契機となる『煽り運転』を切っ掛けとして、お話全体が非常に目ぐるましくジェットコースターのようにハイテンションで進行していくのが特徴で、内容的にはとにかくテンポの速いサスペンススリラー映画という印象。


 ラッセル・クロウが怪演するストーカー殺人鬼も、メチャクチャにパワフル&不気味インパクトがあり、『こいつが本気で殺しに来たら、そりゃ勝てないよな…』という説得力がありますし、この手の映画でありがちな『完全に動機不明の殺人鬼』じゃなくて『殺人鬼が主人公を執拗に狙う理由』もそれなりに納得できる形で描かれているのは好印象。


 また、タイトルにもなっている煽り運転』の要素は、そこまで多くないながらも、上手い具合にカーチェイス的なシーンとしてお話の中に組み込まれており、お話にアクション映画的なスピード感を出すのに成功しているのも良い感じです。


 ただ、殺人鬼の暴れ回るシーンはボリューム的に少し物足りなさがあったので、欲を言えば『殺人鬼にはもうちょっと大暴れして欲しかったかな?』というのと、ラストはちょっとアッサリしすぎな感じだったので『もうちょっと分かりやすいテーマ性とかがあった方が良かったかも?』というのが気になったところかなぁ…

 


 総評としましては、『なかなか良く出来たジェットコースター的ハイテンションスリラー映画』って感じの作品ですね。


 「アオラレ」という題材が気になる人やら、ハイテンポなストーカー殺人鬼的なノリの作品が好きな人であれば観ておいて損は無いかも?


 強く推すかと言われると悩ましいところですが、普通にテンポも良くて面白い内容ですので、気になる人はチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。