■■■「ザ・ディセント 絶叫洞窟」■■■
(35点/モンスター)
冒険家で芸術家でもあった男性が、洞窟探検中に重傷を負いそのまま死亡するという事件が発生。
彼の日記に『洞窟の怪物』の事が書かれていたことから、その娘であるジェシーは、世間から変人扱いされていた父親の汚名を晴らすため、怪物の存在を確かめるためにその洞窟へと向かう事となる。
弟のサムとその友人たちの4人で洞窟を調査する事となった彼らだったが、その洞窟で予想を越えた恐るべき事態へと遭遇するのだった…
父の残した日記を元に洞窟へと『怪物』を探しに訪れた姉弟が、その場所で恐るべき事態へと遭遇する…という、モンスターホラー映画。
邦題から分かるように、基本的には「ディセント」に影響を受けたパクリ的な内容のモンスター映画なのですが、当然ながらオリジナル版とは何の関係もない作品です。(ちなみに原題は「IT CAME FROM BELOW(深淵から来たるもの)」ですが、そっちの方が作品の内容にはあってるかも?)
お話としては『怪物の謎を探るため4人の男女が洞窟探検に訪れるんだけど、そこで予想外の「何者か」と遭遇し…』みたいな感じのコテコテの展開。
序盤の雰囲気作りなんかは悪くないのに加えて、中盤でいわゆる普通のモンスター映画とはちょっと違った感じの展開に突入して、なかなかに『先の読めないような構成』になっているのは悪くない印象。
作品を単純なモンスターホラーにしていないのは、なかなかに捻りが利いていて方向性としては良いと思います。
ただプロットは面白いのですが、本作の内容がモンスター映画として面白いかと言われると微妙なところなのは困りもの。
なにが微妙かって、とにかく全体的に『画面が暗すぎて何が起こっているのか良く分からないシーン』が多すぎます。
怪物の襲撃シーンやら、山場となるようなシーンもそこそこ準備されているのですが、とにかく画面が暗くて状況がイマイチ把握できないため盛り上がるシーンも盛り上がりようがないような状況。
状況が分かり辛いシーンが多いせいで、全体的に非常にテンポが悪い印象になってしまっているんですよね。
洞窟探検の場面も周りが全く見えないせいで迫力や雰囲気も出てないですし、そもそも『怪物の存在を証明する』のが目的なのに、主人公たちが撮影用の機材やら暗視カメラすら持ってこないのは意味不明です。
怪物も出番がそこそこある割には、真っ暗なシーンが殆どのせいで最後まで姿が良く見えなくて迫力が感じられないですし、ぶっちゃけ『低予算を誤魔化すためにライティングをひたすら暗くした』事の弊害なのかなぁ…
それに加えて、主人公たちのキャラに魅力が無くていま一つ感情移入できないのも辛いところ。
特に主人公の女性が極度のコミュ障みたいなキャラで、父の汚名を晴らしたいのか仲間を助けたいのか何をやりたいのか判然としない行動が多くて、観ていてちょっとイライラしてしまいました。
ラストのオチも、低予算ホラーにありがちな『分かったんだか分からないんだか判然としない投げっぱなしオチ』でしたり、とにかく物足りなさばかりが残るような作品でしたよ…
総評としましては、『全体的に見どころに欠ける低予算モンスターホラー映画』というのが正直なところ。
プロットとか凝っている部分もあるのですが、それ以外の要素が面白味に欠けすぎて、正直に言ってあまりオススメできるようなレベルでは無い印象。
モンスター映画としても洞窟探検ものとしても物足りない内容ですし、よほど気になっているとかで無ければ普通にスルーしてしまっても問題のない一本ではないかと…